2 ページ32
しんとした部室の中。聞こえるのは、時々吹く風とガタガタと揺れる窓の音だけ。
キャンバスに向かって細い筆で小さく細かく光を足してゆく。
すると、少しずつ絵に生気が宿っていく。
この瞬間が私は好き。
「＿＿A、時間だよ」
その声に筆を動かしていた手を止めた。
いつも私は集中しすぎてしまうので、クロロ先生に部活終了30分前になったら声をかけてもらっている。
え?30分も残り何をするのかって??
ふふん、聞いて羨め。クロロ先生と遊ぶのだ。
顧問が変わる前からこういった交流をしていたのでそのまま続けている。
基本はボードゲームをする。今日はチェスだ。
先攻は私。「お先にどうぞ」ってスマートに譲られた。
イケメンだ。
ポーンを前に動かす。
「今日も集中してたね」
『周りは見えなくなるのは悪い癖なんですけどね』
「俺は凄いと思うんだけどな」
序盤だからか先生は迷いなく駒を進めていく。
『褒められると照れるタイプなんでやめてくださいよ』
「あはは!でも本心だよ」
うっっっ笑ってもイケメンだ。
何してもイケメン。しんどい。
それから盤上の駒はぐるぐると動いていくが、中々勝負がつかない。
チェスには自信あるんだけどな〜!先生強い。
「チェス、強いね」
『む、そういう割には余裕の表情…』
「いや、これでも結構一手一手悩んでるよ」
先生は表情が少し読みずらい。
イケメンだが食えない人。
『先生って、どうしてこの学校に来たんですか』
「急だね。どうしてだと思う?」
『えぇ?』
質問を質問で返さないで?
先生は少し意地悪なとこがある。
『この学校に隠されてる宝を探しに来たのかなーって』
「正解」
『めっちゃあっさり言った…』
もっと渋るのかと。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 282人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はるるまきまき - さ、さいこうかよ！ (2022年4月29日 12時) (
レス) id: 5ca47acf8a (このIDを非表示/違反報告)
ゆずっきー(プロフ) - 監 禁・調 教は私も好きです。じゃんじゃん書いてください！ (2020年12月16日 15時) (レス) id: f6448db5c6 (このIDを非表示/違反報告)
蒼の戦姫ナキサ(プロフ) - 悠佳さん» ありがとうございます!続編前向きに検討致します!! (2020年2月10日 16時) (レス) id: 60b43feb3a (このIDを非表示/違反報告)
蒼の戦姫ナキサ(プロフ) - 真菜さん» そう言っていただけると助かりますー!!(クロロのキャラは難しくて)。溺愛いいですよね!頑張ります!! (2020年2月10日 16時) (レス) id: 60b43feb3a (このIDを非表示/違反報告)
蒼の戦姫ナキサ(プロフ) - ありがとうございます!!続編前向きに検討致します!! (2020年2月10日 16時) (レス) id: 60b43feb3a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蒼の戦姫ナキサ
| 作成日時：2019年3月9日 17時
