【H×H】クロロに愛されるだけ【短編集】 (ページ23)

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彼の意外な一面ページ23

世の中には、ギャップ萌えというものがあるのをみなさんはご存知だろうか。

「今回の作戦はお前が要だ。A、頼むぞ」

彼氏であるクロロは、蜘蛛にいる時は、カリスマ性が溢れ出ていて、人を簡単に動かしてしまうような人。
まさに"団長"と呼ばれるに相応しい人だ。

「へぇ、すごいですね!」

盗みに必要な情報を集めるのも、彼は得意。
好青年、紳士になりきって、女性も男性も落としていく。

でもそんな彼は、驚くほど甘えん坊だ。

「A」
『ん...なぁに?』

二人きりになれば、私達は離れることがない。
ぎゅうっと抱き締めて、抱きしめられて。

意外なことにそれを要望するのはいつも彼から。

「好き。とにかく好きだ。愛してる...」
『私も』

あぁ、この時間は慣れない。
胸のドクドクと大きく鼓動して、なんだか変な気持ちになる。

「はぁぁ...A、可愛すぎるだろ。可愛すぎてどうにかなりそうだ」
『うぅ...』

顔、熱い。
私は多分寿命が縮んでいるだろうな。
彼の言葉は心臓に悪すぎる。

離れようとすれば、

『クロロ、喉乾いたからちょっとだけ離して?』
「悪い、もう少し。もう少しだけこのまま」

抱く腕の力は強くなる。

もう少し。
甘い声でそう懇願する彼が、好きで仕方ない。

「なぁ、Aからキスしてくれ」
『え、は、恥ずかしいって』
「だめ、か?」

上目遣い。
女子より可愛いんですけど...??

『分かったよ、もう』

嬉しそうな顔しないでほしい、頭おかしくなりそう。

私はそっと口付けた。
これでいいだろうと離そうとすれば、頭を後ろから抑えられる。

『ん...!?ぁ、』

まるで貪るような激しいキス。
待って。
気持ち、良すぎ。

「ん。ごちそうさま」
『〜っ!!』

チロリと舌を出す彼は、あまりに色っぽい。
てか、やばいかも。

「悪かった、喉乾いてるんだよな」
『そう、だけど』

さっきまで回されていた腕はもう離されている。

「どうした?行かないのか?」
『え、や、あの』

どうしよう、立てない。
慌てていると、クロロはにやりとして言った。

「あぁ、もしかして。
腰が抜けて立てない、とか」

ビクッ、と肩が揺れた。
図星だ。

「ふ、俺のキスはそこまで良かったか?」
『そんなこと聞くな...!』

やめろ恥ずかしい。そう言っても彼は笑うばかり。
唇に指を当てられる。

「もっと、して欲しいだろ?」

彼は甘えん坊で、格好良い。