【H×H】クロロに愛されるだけ【短編集】 (ページ16)

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6限目の授業が終わり、放課後。
帰る準備をしていた時、何か騒がしかった。

「あ、あれ...!もしかして!!」
「幻影旅団の...!?でもなんでここに!?」

幻影旅団。
私には関係はない、だろう。落ちたし。

人を掻き分けて窓を覗いてみれば、高級車の前に立つクロロさん。
人懐っこい笑顔を浮かべて、校舎を見渡している。

...あ、目が合った、気がする。

「あっ!こっちに手を振ったよ!!」

手を振られた?いや、まさか。

そう思っている間に、クロロさんは校舎の中に入ったようだ。
探してる人、見つけたのかな。

「《3年1組Aさん。至急職員室へ来てください。》」
『え』

まさかの放送で呼び出し。
なんかしたっけ!?

仕方ない、と歩き出した。

職員室、と書かれているのを確認して、ドアを開けた。

『失礼し』
「遅いよAさん!!こちらのクロロ様が貴方に用があると!!」
『えっ!ちょ、なに』

ドアを開けるなり、失礼しますを言う暇もなく、先生に飛びかかられた。

「お騒がせしてすみません。クロロ=ルシルフルです」
『ぞ、存じ上げております...?』

知らない人いるの?

「はは、そう堅くならなくていいよ。君が受けたオーディション、俺が審査していたのは覚えてる?」
『勿論です』

堅くならない人いるの??
覚えてない人いるの???

「そう。ちょっと二人で話せない?」
『いい、ですけど...』

校舎から出て、黒い高級車に乗せてもらった。
う、うわぁ...!

『ふかふかだ...!!』
「ふふ」

わ、笑われた。
しょうがないじゃない、こんなの乗ったことないんだから。
慣れずにそわそわしていると、クロロさんが話し出す。

「いきなりだけど、幻影旅団に入らない?」
『...はい?』

ごめん、この人は何言ってるんだろう。
頭がショートした。
聞き間違い?そうだな、聞き間違いだ。

「聞き間違いじゃない」
『心読まれた!?』
スターになれば心も読めるようになるのか。

『なぜ私ですか。オーディション落ちたのに』
「君の歌と演技に惚れたから、かな。あ、オーディション落としたのは俺ね」
『!?』

爆弾をこうも次々と...!

「だって、あんな馬鹿な事務所に君はもったいない」
『え、えぇ...?』

すごく嬉しい。嬉しいんだけれども。
あの事務所をまさかの馬鹿扱い。

「どう?幻影旅団。悪くは無いと思うけど」
いや悪いわけないでしょう。

『か、考えさせてください...』

千載一遇のチャンスだとは分かってる。
でも予想外で頭が働かないっての!!