6. 子どもは最強。 ページ8
夕暮れ、誰もいない海辺。
波のさざめきも鳥のさえずりも、自然が歌っているように聞こえて、一緒になって歌いたい気分になる。
『たとえ言葉に囚われていても___』
海に向かって歌を口ずさむ。
前世の時から、歌うのは好きだった。前はさほど歌が上手い訳ではなかったけど。
『心は自由でありたいと思うから―――ん?』
かさ、と物音がして振り返ると、少女が立っていた。白と赤で分かれた髪に、紫の瞳。
あ、映画で見た。
そんな感想が浮かぶ。
「…」
『…えーと』
「………もしかして…」
少女ことウタは俯いていたが、ばっと顔を上げた。
その目はキラキラ…ギラギラと？輝いていた。
「ねえ、わたしと音楽家、やろう!!!」
『………ン??』
脳が理解する前にウタは私の腕を掴んで、“PARTYS BAR”に向かっていく。
バァンッと扉を開けるなり「シャンクス!!!」と叫ぶ。
「おお、どうしたウタ」
「Aだよ!!船に乗せて!!一緒に赤髪海賊団の音楽家になるの!!!」
『私はなるって言ってないなあ』
「ダメだ!!!Aが乗るなら俺も乗る!!!」
『私は乗るって言ってないなあ』
「シャンクスお願いぃ〜!!!」
「シャンクスぅ〜!!!」
全く話を聞いてくれない。まあ子供ってこんなものなんだろう。ウタとルフィがシャンクスの足にしがみつく。…あれ、私ウタに名乗ったっけ?
「二人共、肝心の本人の意思はどうだ。ウタ、ちゃんと聞いたのか？」
「聞いた!!」
『聞かれたけど返事はしてないなあ』
「なるって言ってた!!」
『言ってない』
中々強かな少女だ。海賊らしいかもしれない。
欲しいの！と駄々をこねる娘に、後の四皇シャンクスもすっかり困っている。
「ここまで諦めねェのは珍しいな。そんなに乗せたいのか」
「うん!!」
「よし、娘のために乗ってくれ」
『親バカだったかあ』
仕事あるので無理です、と断ると、お金の不自由はさせないと食い下がる。
『マイペースに1人で生きていきたいから、集団行動とかムリ』
「やだああ!!!!」
『アー…ナイチャッタ…』
子供ってつえー…パッションがすげー。
泣き止む様子がないため、はぁと息を吐いて、歌で励ますことにした。
『石の地蔵さんは 子供がお好き
泣く子は地藏さんにつれて行きな』
日本の童謡、「泣く子」を歌う。
どちらかといえば暗い曲調だが、ウタのお気には召したらしい。
「やはり“あの”Aだったか!!」
ウタが泣き止んだ、と安心していたら、シャンクスからそんな爆弾発言を食らった。
7. 盆踊りしかできないんだけど。→←5. 映像電伝虫の注文が殺到中らしい。
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睡蓮(プロフ) - なんかもう言葉にできない程に好きです！更新待ってますぅ!! (2022年12月29日 18時) (
レス) id: 4c669c7bad (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - めっちゃ面白かったです！これからも無理せず頑張ってください (2022年12月29日 5時) (レス) @page36 id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
みーこ★(プロフ) - 更新楽しみに待ってます！ (2022年12月15日 1時) (レス) id: 2a810c9fcc (このIDを非表示/違反報告)
さくにょ(プロフ) - めちゃくちゃ面白くて好きです！更新頑張ってください！ (2022年12月14日 7時) (レス) id: 075aa05b66 (このIDを非表示/違反報告)
あいす・こーひー(プロフ) - めっちゃ好きです！初めて見た時から何回も読み返してました！更新嬉しいです！ありがとうございます！これからも更新頑張ってください！！ (2022年12月13日 23時) (レス) @page36 id: ca65da3012 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナキサ
| 作成日時：2022年12月9日 3時
