13. パーカーはぶかぶかが正義。 ページ16
「A」
『＿＿＿ひッ』
ドカッ!!!
“ひゃああ!!”と悲鳴をあげると同時に大きな音が立つ。
「いってェ!!」
『じ、自業自得だよバカ!!』
触られた感覚の残る胸元を腕で隠し、甲板に打ち付けられた男を睨む。
気配を消したシャンクスに背後から抱き締められ、そのまま胸を揉まれた。いわば幽霊にセクハラされたようなもん。心臓に悪すぎる。
咄嗟に能力を使って弾き飛ばしてしまったが、悪いのはこの男だ。
『セクハラ禁止ー!!次やったら海軍に突き出す!!』
「やめてくれェ、お頭がセクハラで指名手配なんてダサすぎる!!」
『笑い事じゃなあーい!!』
船長が醜態を晒して船員が大笑いとは、仲の良さが伺える。シャンクス自身、海軍に突き出すと言われても“だぁっはは!!やってみろ!!”と一緒になって笑うだけだ。
『なら副船長に突き出す』
「すいませんでした」
この変わり身の早さよ。
ベックマンは今、書類仕事で船内にいるが、出来れば常時船長を見張ってほしいものである。
『こんな大人になっちゃダメだよ、ウタ』
「分かってる!!シャンクスからはわたしが守ってあげるからね、A!!」
『娘にこんなことを言わせて恥ずかしくないの?』
「すいませんでした…」
娘も効く。
出来るだけ女らしさを出さないよう、パーカーとジーンズという露出の少ないシンプルな服を選んだのだが…あまり効果が見受けられない。
「や、むしろそのぶかぶかなパーカーの下を想像しちまうというか」
『ぶっ飛べこのヘンタイ!!』
「うおおッ!?イテッ!!」
またしても甲板に叩きつけた。
「素晴らしい才能だ!!」
物資の補給のためいろんな島へと寄りながら、漸く辿り着いた“音楽の都”エレジア。
はじめは海賊を警戒していた国民達も、ウタの歌声を聞いてその才能を持て囃した。
「…あ、あの…!!」
『ン?なぁに、少年』
「Aさん、ですよね!!?」
そんな少年の声が想像以上に通り、ウタに集中していた国民達の目がこちらに向く。
「まさか、あのA…!?本物か!!?」
「間違いない、映像電伝虫で見た姿と同じだ!!!」
「いつも息子と聴いてます!!」
ウタに向かっていた熱量がこちらに向けられ、たじろぐ。ウタはというと、“そうだよ、Aだよ!!”と何故か自慢げだ。
『まさかバレるとは…』
「バカ言え、お前は今や世界中に知られる歌姫だぞ」
『ナニソレ知らない』
盛大な歓迎会が始まるのを止められそうもない。興奮しきった国民達を見て、えぇ、と戸惑った。
14. これで足手まといじゃ、ないよね。→←12. このあと暫く寝込んだ。
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睡蓮(プロフ) - なんかもう言葉にできない程に好きです！更新待ってますぅ!! (2022年12月29日 18時) (
レス) id: 4c669c7bad (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - めっちゃ面白かったです！これからも無理せず頑張ってください (2022年12月29日 5時) (レス) @page36 id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
みーこ★(プロフ) - 更新楽しみに待ってます！ (2022年12月15日 1時) (レス) id: 2a810c9fcc (このIDを非表示/違反報告)
さくにょ(プロフ) - めちゃくちゃ面白くて好きです！更新頑張ってください！ (2022年12月14日 7時) (レス) id: 075aa05b66 (このIDを非表示/違反報告)
あいす・こーひー(プロフ) - めっちゃ好きです！初めて見た時から何回も読み返してました！更新嬉しいです！ありがとうございます！これからも更新頑張ってください！！ (2022年12月13日 23時) (レス) @page36 id: ca65da3012 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナキサ
| 作成日時：2022年12月9日 3時
