12. このあと暫く寝込んだ。 ページ15
レッド・フォース号にて。
「もう楽になれ!!無理すんな!!」
『ぐ…私はまだ…!!!』
視界がぐるぐる回る眩暈の中、迫り上がる胃液をぐっと堪えた。口を両手で覆って耐えきる。
吐きそう。やっぱ船ムリ。
『私はカワイイ女の子、だから…!!!』
「分かった!!お前がカワイイのは分かった!!だからもう吐いて楽になっちまえ!!」
私は“皆に愛されるカワイイ女の子”になる女。
人前でゲロを吐く訳にはいかない。
酔い止め薬は丁度切らしていたらしい。
材料の薬草を手に入れようにも、フーシャ村では中々見つからなかったらしく、手に入れるのに時間がかかった。
そのため今大急ぎで作ってくれている。
ありがとう、できれば早くしてくれ。
「が、がんばってA!!」
『…も、ムリ…うッ』
「Aーーー!!!!」
ウタの声が大海原に響き渡った。
『サイアク。どれもこれもシャンクスのせいだ』
「責任転嫁が酷くねェか!!?」
『波荒くない??これもシャンクスのせいだ』
「ンなもん俺にはどうしようもねーよ!!」
あの後結局私は吐いた。すごく我慢していたのに。
背中を摩られると吐くわ…善意なんだろうけども…。
その後出来上がった酔い止め薬の効き目は完璧だった。
「落ち着いたか?」
『お陰様で。ご迷惑をお掛けしました〜…』
「慣れねェ船旅だ、構わないさ。…弱っている嬢ちゃんも中々そそられたしな」
『ア、ウン、アリガト』
なんだこの
キュンとしながらも、船上での注意点やルールなどを教えられるので頭に入れた。
ふんふんと頷きながら聞いていると、ウタがこちらに構ってほしそうにしていることに気付く。
「次は船の案内だが＿」
『それはウタに頼もっかな』
「…わたし？」
自分の名前が出るとは思わなかったのだろう、きょとんとしてこちらを見た。
『この船に詳しいでしょ??案内してよ、ウタせんぱい』
「!!うん、任せて!!
この、“ウタせんぱい”にね!!!」
目を輝かしたウタは、張り切って船内に入っていく。まずはこっちだよ!と元気な声が響いた。
「随分子供慣れしてんだな。ウタもすっかり懐いちまった」
『まぁね。
子供は甘やかされるのと同じくらい頼られたがるもんだってこと。覚えときなよ、“パパ”』
はやくー!!と催促する声が聞こえて、私も扉を開けて中に入る。
「…なんか、今のいいな」
「言ってろ、アホ」
そんなお頭の呟きに、副船長は呆れていた。
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睡蓮(プロフ) - なんかもう言葉にできない程に好きです！更新待ってますぅ!! (2022年12月29日 18時) (
レス) id: 4c669c7bad (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - めっちゃ面白かったです！これからも無理せず頑張ってください (2022年12月29日 5時) (レス) @page36 id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
みーこ★(プロフ) - 更新楽しみに待ってます！ (2022年12月15日 1時) (レス) id: 2a810c9fcc (このIDを非表示/違反報告)
さくにょ(プロフ) - めちゃくちゃ面白くて好きです！更新頑張ってください！ (2022年12月14日 7時) (レス) id: 075aa05b66 (このIDを非表示/違反報告)
あいす・こーひー(プロフ) - めっちゃ好きです！初めて見た時から何回も読み返してました！更新嬉しいです！ありがとうございます！これからも更新頑張ってください！！ (2022年12月13日 23時) (レス) @page36 id: ca65da3012 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナキサ
| 作成日時：2022年12月9日 3時
