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「甘露寺に渡す誕生日プレゼントを一緒に考えてくれ」

伊黒がそう俺に相談してきた。
…甘露寺の誕生日は6月ではなかったか?今はまだ4月だが。
その思いを察したのか、伊黒が先に口を開く。

「早く準備するに越したことはないだろう。
当日には大量の桜餅と巨大なケーキを用意する予定で既に予約してあるんだが、肝心のプレゼントが思いつかない。
お前と甘露寺は師弟関係だった時もある。何かいい案があるかと思ったんだが…」
「なるほど!俺が力になれるかは分からないが協力しよう!」
「助かる」

正直大量の桜餅と巨大なケーキの時点で彼女は相当喜ぶだろうが、それはプレゼントには入っていないらしい。
うむ、伊黒の甘露寺に対する気持ちは強いな!俺もAを思う気持ちでいえば負けていないが!!

「日曜は空いてるか?」
「ああ、大丈夫だ!」
「では買い物に一緒についてきてくれ」

その言葉に頷き、手帳にその予定を書き込んだ。









「凄い人混みだな!」
「休日はこんなものだろう」

待ち合わせしたデパートでは、日曜日なこともあって人が多い。

「どの店に行くかは決まっているのか?」
「ああ、とりあえずアクセサリーを扱う店があるからそこに行こうと思う」
「承知した!」

普段来ない場所で道が分からないため伊黒についていく。
それにしても、ここは女性向けの店が多い。
この分ならプレゼントも良いものが見つかりそうだ。

「お前もAに贈るものでも探したらどうだ」
「…Aにか!」
「再開したときに渡せばいいだろう」

なるほど、それもそうだ。
きっと今回伊黒に誘われたのは、俺への気遣いでもあるんだろう。
俺はつくづく周りの人に恵まれている。
…落ち込んでいる場合ではないな。
必ずAを見つけ出してみせる。

そう決心して前を向いた、その時。
視界を掠めた何かに、一瞬時が止まった気がした。

「っ!!」

バッと勢い良く振り返るが、見えるのは人が混み合うだけの景色で、思い描いていた人物は見当たらなかった。
__今のは。

「どうした煉獄?」
「…いや!」

Aがいた、気がしたんだが。
幻覚だろうか。いよいよ頭がやられたかもしれない。
なんでもないと笑って、何事も無かったかのように歩き始めた。

五→←三



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ナキサ(プロフ) - 飛鳥さん» こちらこそ読んでくださりありがとうございました! (2021年11月22日 19時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥 - ものすごい大作に出会ってしまいました……ありがとうございますありがとうございます… (2021年11月22日 9時) (レス) id: d3040dc27e (このIDを非表示/違反報告)
ナキサ(プロフ) - あまねさん» 読んでくださりありがとうございます!楽しんで頂けたようでとても嬉しいです。 (2021年11月15日 23時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 最初から最後まで一気読みしちゃった笑、、、待ってなんでこの神作に早く出会わなかったの?私バカなの?((((喧しいわ (2021年11月14日 9時) (レス) @page23 id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
ナキサ(プロフ) - meruriさん» コメントありがとうございます!感動していただけれ嬉しいです (2021年10月28日 22時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ナキサ | 作成日時:2021年3月5日 14時

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