【煉獄杏寿郎】全力で救いたい！【トリップ】弐

伍拾漆 ページ9

『…あ』

目が覚めた。列車の中だ。
善逸、煉獄さんはまだ寝ている。
炭治郎と伊之助がいない。もう目覚めたんだな。

あれから私は散々だった。
包丁を取りに行こうとして必死に止められ、ずっと煉獄さんに拘束されていた。
抱きしめられる形で。なんと嘆かわしい。

まぁ隙を見て包丁で首を切りました。

かなり怖かったけど、鬼殺隊としての経験のお陰でなんとか自決できた。

…絶望の表情の煉獄さんが見えた気がして只今もやもやしてるけど。

『ありがとうね、禰豆子ちゃん。
この二人のこと頼める？』

目が合った禰豆子ちゃんの頭を撫でるとふんふん、と嬉しそうに頷いた。
可愛いいいぃぃぃいい！！

『さて』

伊之助も起きているということは魘夢を偽の姿の頸を切ったということだな。

現に今触手が車両を蝕み始めた。

『二人は前の車両か』

二つの感じ慣れた気配を察知する。

『夜の呼吸 参ノ型』

…細かく刻んで再生を遅らせよう。
原作の煉獄さんもやっていたし。

『極夜渦！』

ダンっ、と強く地面を踏み、渦のような斬撃で触手を切り刻む。

『炭治郎くん、伊之助くん！』
「！Aさんっ！」
『細かく刻んできたので再生は遅れるはずです。
でも時間が無い。手短に言います』

はい、と炭治郎は聞く姿勢だ。
伊之助も聞いている。

『この汽車は8両編成。私は後方5両を守ります。君達は善逸くんと煉獄さんが起きるまで前方3両を守ること。
起きれば鬼の頸を斬りにいってください』
「で、でも、この鬼は、」
『鬼なら必ず頸はある。急所を探してください』

そろそろ再生しそうだ。いかねば。
また参ノ型で触手を斬っていく。乗客に手出しはさせない。

ひたすらに往復だ。…シャトルランか？

そんなことを思っていると、前方から雷のような音が聞こえた。善逸が起きたな。

さて、どういう役割分担になるだろう？

炭治郎と伊之助が鬼の頸を、

善逸と禰豆子が前方3両、

私が後方5両。

…となると煉獄さんは頸を斬る方に回るな？
魘夢お疲れ様でーす。

そう思ってるとドカンと列車が大きく揺れる。
煉獄さんのお目覚めですな。わかりやすいわ。

「A！」
『おはようございます煉獄さん。
今列車の前方で2人が頸を斬りにいってます。応援を』
「承知した！」

またドカンと揺れる。
派手だな？通称派手柱より派手だぞ？

魘夢お疲れ様でーす(２回目)


無心で斬っていたら、断末魔の叫びとともに汽車が大きく揺れる。

横転するなこれ。
もう頸切ったの？はっや。

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