漆拾玖 ページ32
「男性への贈り物、ですか?」
「あらあら!お相手は煉獄くんね?」
『…はい』
なぜバレたし。
煉獄さんからあんな高価な櫛と簪を頂いてしまったので、やっぱりお返しはしたいなぁと。
でもこの時代の男性って何あげたら喜ぶのか知らないし…。
いやこの時代に限らず分からん。
ということで胡蝶姉妹に相談したのだが、失敗したかもしれない。
「相談に乗るのはいいけれど、理由は聞かせてもらわないとね?」
「そうですよ。どうして急に贈り物なんです?」
『う…』
櫛と簪を貰ったからなんて言ったら色々バレそう。
だってそれプロポーズの意味があるって広く知られてるんでしょ。結婚指輪みたいなものでしょ。
そういえば大正時代にも結婚指輪はあるらしい。それも買いに行こうかと煉獄さんに言われたけど必死に止めた。
もう十分です。
「ほらほら、黙っていたら相談に乗りませんよー」
つんつん、としのぶさんにつつかれる。可愛い。
いや私今危機に瀕してるけど。
どうすればいい?素直に言うの恥ずかしすぎない?
でもな、やっぱり頼れるのはこの2人か蜜璃ちゃんくらいだし。
『…その、お返しを…』
「あら、お返しって、何をもらったの?」
そうなるよね、うん。
あー!思い出すだけで顔が熱くなる。
『…く…と…』
「聞こえませんよ、もっと大きな声でお願いします」
『…くし、と…かん、ざしを…』
なんとか恥ずかしさに打ち勝ち、声を捻り出して言えば、二人は声を揃えて「あら!」と言った。あまり驚いてない感じなんですけど。
あと流石姉妹、シンクロしてた。
「とうとうやったのね、煉獄くん!」
「やっとか、という感じはありますけどね」
『…驚かないんですか?』
「だって煉獄くん分かりやすいんだもの」
「Aさんくらいですよ、気付いてなかったの」
まじか。
私だけかよ。
いや食事に誘われる頻度が高いなとか、距離近いなとか、贈り物いっぱいしてくれるなとか、思い返せばそうかもしれないけど。
でも人のいい煉獄さんだし、みんなにもこんな感じだろうなと納得してた。
何より?推しが?私を?好き?
想像できるか!んなもん!!
「話は聞かせてもらったわ!」
『み、蜜璃ちゃん?』
「ごめんなさい、盗み聞きをするつもりはなかったのだけど!
とてもきゅんきゅんする話が聞こえてきたからつい!」
師範、やりましたね!と明後日の方向にガッツポーズしてた。
そうか、恋柱だったわこの子。
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Haruka(プロフ) - 煉獄さん推しなのでとても感動しました。 (2021年9月10日 22時) (レス) id: c2932dcf70 (このIDを非表示/違反報告)
ナキサ(プロフ) - 蓬莱寺さん» ありがとうございます!!更新頑張ります!! (2021年1月12日 23時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
ナキサ(プロフ) - すみっコぐらし好きの隅華(仮)さん» すみません、中々時間が取れなくて…!!続きを待ってくれているのはとても嬉しいです、ありがとうございます! (2021年1月12日 23時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
蓬莱寺(プロフ) - 続き気になります。更新楽しみにしてます (2021年1月12日 8時) (レス) id: de353d3df7 (このIDを非表示/違反報告)
すみっコぐらし好きの隅華(仮) - 早く更新して下さい!お願いします!m(_ _)m (2021年1月6日 20時) (レス) id: d6919b39a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナキサ | 作成日時:2020年12月19日 2時