捌拾弐 ページ35
「5日…以内に無惨が来る…」
病が進行し、床へ伏せてしまったお館様にそう告げられた。
「私を…囮にして…無惨の頸を…斬ってくれ…」
『…お館様が助かる道は、無いのですか』
無いのならば、私に出来ることはその頼みを聞き入れることだけだ。
けれど、もし、もし私がいることで何かが変わるならば。
「無い、だろうね…。…?」
無い、と言った後、なにかに気づいた様子を見せた。
きっと、あるんだ。
私はそう確信した。
『私が貴方様の盾になることを、どうか許してくださいませんか』
「だめだよ…私に人員を割くわけには…」
『いいえ、お館様。
お館様が生きている。
それだけで無惨の動揺を誘えます。鬼殺隊としての士気が上がります』
お館様がいるだけで鬼殺隊が無惨を倒す可能性が上がるんです。
.
「何とも醜悪な姿だな、産屋敷」
お館様の前に、鬼舞辻無惨が現れた。
私は1人、密かに気配を隠す。
バレる気配は全くと言っていいほどなかった。
私は気配を消すことが誰よりもうまくなっていた。この世界から消えかけているのかもしれない。
「君の夢は何だい?
君の心が私にはわかるよ。君は永遠を見ている。不滅を夢見ている。
それは竈門禰豆子を手に入れることで間もなく叶う」
しかし、君は勘違いをしていて、君の夢が叶うことはない、と続けた。
「永遠というのは人の想いで人の想いこそが永遠であり不滅なんだよ」
この千年間隊士が大勢死ぬことにはなったが鬼殺隊がなくなることはなかった。
この事実こそが「人の想いこそが不滅である」ということを証明していると語る。
“大切な人の命を理不尽に奪った者を許さない”という想いは永遠で、無惨はこの千年間誰にも許されていない。
この人の想いと繋がりがあるため、鬼殺隊はお館様が死んでも鬼殺隊が終わることはない。
しかし、一方で鬼は違う。
「君が死ねば、全ての鬼が滅ぶんだろう?」
その言葉に無惨がお館様に手を掛けようとした、その時。
ドンッ!!!
大きな音が轟き、爆裂が起きた。
私は隙をついて、お館様、あまね様を抱え抜け出す。
原作と違い、私が説得したため娘たちは既に避難していた。
無惨は一瞬こちらに気づいたようだが、爆発のお陰で足止めをくらっている。
『ご無事ですか』
「ありがとう、平気だよ」
「私もです」
脇に抱えるとか恐れ多すぎたけど緊急事態だ、仕方ない。
今頃珠世様が鬼を人間に戻す薬を無惨に打ち込んでいるはずだ。
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Haruka(プロフ) - 煉獄さん推しなのでとても感動しました。 (2021年9月10日 22時) (レス) id: c2932dcf70 (このIDを非表示/違反報告)
ナキサ(プロフ) - 蓬莱寺さん» ありがとうございます!!更新頑張ります!! (2021年1月12日 23時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
ナキサ(プロフ) - すみっコぐらし好きの隅華(仮)さん» すみません、中々時間が取れなくて…!!続きを待ってくれているのはとても嬉しいです、ありがとうございます! (2021年1月12日 23時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
蓬莱寺(プロフ) - 続き気になります。更新楽しみにしてます (2021年1月12日 8時) (レス) id: de353d3df7 (このIDを非表示/違反報告)
すみっコぐらし好きの隅華(仮) - 早く更新して下さい!お願いします!m(_ _)m (2021年1月6日 20時) (レス) id: d6919b39a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナキサ | 作成日時:2020年12月19日 2時