猫は飼われる �� ページ26
『はぁ、はぁっ！』
「待て！！」
走る、走る。
後ろからは追手。
その手には拳銃やナイフが握られている。
＿＿なぜ、こんなことに。
私は十分前の自分を恨んだ。
「あー、遅くなっちゃったねー」
『そうだね』
友人と遅くまで学校に残り勉強していた帰り。
すっかり暗くなった空の下歩いていく。
「じゃあ、また明日！」
『うん、ばいばい』
友人に手を振り別れる。
…早く帰って寝たいし、今日は寄り道しちゃおうかな。
そんな、今思えば馬鹿だとしか言いようがないことを思い、一層暗い路地裏へと入っていく。
なにかいつもとは違うと感じたのは数分後だった。
何が違うのかは分からない。ただ予感めいていただけだった。
一瞬引き返そうと思ったが、路地裏を抜けるには先へ進む方が早い。
止めた足をまた進める。無意識に少しずつ早歩きになっていた。
この曲がり角を曲がれば路地裏から抜ける。
そして曲がった瞬間だった。
「おっと」
大きな壁にぶつかった。…いや、これは人だ。
上を見上げれば、男の大きな目が私を見ている。
私は思わず後ずさった。
視界の隅には、数人の男達。
そして地面には真っ赤な…人？妙にぐったりしていて…違う、あれは、もしかして。
ゾッと血の気が引いていく。
あれは、あれは。
死体？
「よもやよもや、こんな場所に“子猫”が紛れようとはなぁ」
あ、やばい。
本能で悟った私は考えるより先に走り出す。
何、なんなの今の、死体？赤いのは血で、頭に、穴が空いていて、それで？
「追え」
背後からそんな声が聞こえて、パニック状態だった私は更に恐怖がこみ上げる。
やばいやばいやばい！
命令通りに男達が追ってくる気配がして、心臓が煩く鳴り響く。
「待て！！」
そんな声が聞こえ、走りながら少しだけ振り返ると、男達は拳銃を持っている。
…あれを発砲されたら…。
嫌な想像を振り払い足を必死に動かす。
幸いにも男達とは違い、慣れた道で右へ左へと曲がっていく。
ここを出れば大通りだ、夜と言えど人は多くいる。
『はぁ、はぁっ』
なんとか男達を振り切り、大通りへと出た。
息切れしている私を通行人は訝しげに見ている。でも今はそんなことは気にならなかった。
後ろを振り返っても男達はいない。
今だ煩くなり続ける心臓を抑える。
私は何が起こったのか、よく分からないまま放心状態で帰路へとついた。
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oemi200174(プロフ) - 猫は飼われるだいすきです！！！またみたいな〜と思ったらパスワードが！！？よかったら教えて欲しいです🥺 (5月31日 2時) (
レス) id: bdeac365d5 (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - メッセージの送り方が分からないのでこちらに送らせて頂きます🙇🏻♀️もしよかったら極道パロのパスワードを教えてもらいたいです､!! (2022年8月25日 22時) (レス) id: ed127571e4 (このIDを非表示/違反報告)
ナキサ(プロフ) - けとるんさん» ここまで読んでいただきありがとうございました！続編も、また暇な時にでもよろしくお願い致します！ (2021年11月14日 15時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
けとるん - 極道パロ、手に汗を握って読ませていただきました！とても面白かったです！続編楽しみにお待ちしています！ (2021年11月8日 9時) (レス) id: 824a2e6377 (このIDを非表示/違反報告)
ナキサ(プロフ) - マリーさん» 続編なら弐の方を公開させていただいてます、読んでくださると嬉しいです！ (2021年2月16日 19時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナキサ
| 作成日時：2020年12月5日 23時
