参拾弐 ページ34
あれからというもの。
私は槇寿郎さんを攻略しようと決めた。
え?何故かって?
家族の空気良くなって欲しいし、槇寿郎さんがまたやる気を出して稽古をつければ煉獄さんがより強くなって生存率upするし、ていうか一番は私も稽古つけて欲しいからですけどね!!
こちとら強さに貪欲なんじゃぼけぇ!推しを救うんじゃ!!カナエさんの死までに絶対間に合わせるんじゃ!!
まず色々口答えしたことを謝罪し、任務や鍛錬以外の暇を練って話しかけていた。
とりあえずお父様と呼ぶことにした。
『料理をお持ちしました、お父様』
「お前にお父様と呼ばれる筋合いはない」
いやそれ娘が嫁に行く時に反対する父の台詞だから!!
『お酒の飲み過ぎはお身体に障ります』
「ふん、別に構わん」
『私が構います。何より2人が心配していますよ』
「…」
そう言うと、お父様は酒をどんと机に置いて、そのまま寝入ってしまった。やっぱり息子達への愛情はあるんだろうなぁ。
『今日は私、洞窟での任務だったんです。狭い場所で刀を振るうのが想像以上に難しくて、苦戦してしまいました』
「…それがどうした」
『いえ、ただ何となく言っておきたかっただけです』
任務での出来事を話せば、お父様は意外にもしっかり聞いてくれる。今私についている傷も、言葉にはしないが気にかけてくれているようだった。
段々話す内に、アドバイスまでくれるようになった。
『ご飯は家族で一緒に食べませんか?その方が千寿郎君も喜びます。私は別の場所でいいので』
「…お前も一緒でいい」
2ヶ月ほど経てば、部屋に篭ったお父様も出てきて、家族みんなで食事を取ることになった。
千寿郎君はそわそわと落ち着かない様子で、しかし嬉しそうに時々照れ笑いをしていた。
煉獄さんは最初目をまん丸にして驚いていたが、その後とても嬉しそうに笑顔を見せた。
その笑顔が千寿郎君と同じで、やっぱり兄弟だなと思う。
『お父様』
「なんだ」
もうお父様と呼んでも怒られない。
多分しつこすぎて諦めたんだな、えへ。
『手合わせをしてくれませんか』
「断る。杏寿郎に頼めばいいだろう」
『煉獄さんは今は遠出の任務で忙しそうです』
そう言えば、お父様はじーっくり考えて、
「わかった」
と一言だけ呟いた。
「やるからには容赦はせん。夜の呼吸とやらの型が全て完成するまでぶっ通しやるぞ」
…私はとんでもない人に頼んでしまったかもしれない。
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蒼の戦姫ナキサ(プロフ) - 5262さん» コメントありがとうございます!励みになります! (2020年12月17日 11時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
5262(プロフ) - 初めましてコメント失礼致します。続きが楽しみです!大変だと思いますが更新頑張ってください、応援してます (2020年12月15日 17時) (レス) id: e1b40e07f2 (このIDを非表示/違反報告)
蒼の戦姫ナキサ(プロフ) - コメントありがとうございます!夜はいいですよね! (2020年12月7日 23時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
レイレイン - 夜が好きッ!?私と同じだ… (2020年12月7日 17時) (レス) id: 5a04a92c31 (このIDを非表示/違反報告)
蒼の戦姫ナキサ(プロフ) - yersk0402さん» ありがとうございます!!煉獄さんに会いたいですよね!!更新頑張ります! (2020年12月6日 20時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナキサ | 作成日時:2020年11月28日 20時