弐拾捌 ページ30
「はっはっは!強くなったなA!俺も負けてはいられん!」
『ぐっ』
どっしりと重い一撃を受け止めた。
これが力の差…!!筋肉もっとつけよ…。(遠い目)
“折角だ、手合わせしよう!”
その言葉で始まった、竹刀を使った打ち合い。
わっしょい!と言いながら容赦なくぶちのめそうとしてくる煉獄杏寿郎は相変わらず鬼畜だった。これでまだ柱じゃないんだもんなぁ…。
私も水の呼吸を使いながら対応しているが、煉獄さんの熱気に押されてしまう。
「どうした!守ってばかりじゃ勝てんぞ!」
『〜っ!』
けれども、やられっぱなしはやっぱり悔しい。
すぅ、と呼吸を整え直し、前を見る。
目の前のことを捉えていればいい。無駄な事は考えるな。集中。
頭から無駄な雑念を振り払えば、心がスっと軽く、冷たくなった。
あぁ、体が勝手に動く。
呼吸法が切り替わった。
次々と繰り出される攻撃に受け身を取り、地面に着地と同時に間合いを詰める。
「!」
__夜の呼吸 壱ノ型 寂静の零時
最小限の動きで振った刀。
風を切る音すらさせずに、静かな夜を描く。
ギリギリの所で防がれたが、その状態から体を捻り回転させて更に数多の斬撃を繰り出す。
__夜の呼吸 弐ノ型 夜神楽
…一度だけ、親に連れられて夜に行われた神楽を見たことがある。神話をモチーフにした演目で、夜を徹して舞い続ける。
その姿が子供ながらに印象に残っていた。
「炎の呼吸、弐の型 昇り炎天!」
私の攻撃は、大きく円を描き切り上げるその技によって掻き消される。
うーん、やっぱそううまくはいかないか。
まだまだ改良が必要である。
「よもや、驚いた!今のが派生したという呼吸か?」
『はい。夜の呼吸と私は呼んでいます』
「そうか!確かに繰り出された技は夜の様であったな!」
煉獄さんはうんうんと頷く。
煉獄さんにも夜に見えたのならもうこれは夜の呼吸確定だろう。とりま自信は出た。
「Aの素早さが活かされた呼吸だな。磨けば何段階にも強くなりそうだ!」
『ほんとですか!』
「うむ!」
元より鍛えるつもりは当然あったのだが、その言葉を聞くとよりやる気が出てきた。
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蒼の戦姫ナキサ(プロフ) - 5262さん» コメントありがとうございます!励みになります! (2020年12月17日 11時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
5262(プロフ) - 初めましてコメント失礼致します。続きが楽しみです!大変だと思いますが更新頑張ってください、応援してます (2020年12月15日 17時) (レス) id: e1b40e07f2 (このIDを非表示/違反報告)
蒼の戦姫ナキサ(プロフ) - コメントありがとうございます!夜はいいですよね! (2020年12月7日 23時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
レイレイン - 夜が好きッ!?私と同じだ… (2020年12月7日 17時) (レス) id: 5a04a92c31 (このIDを非表示/違反報告)
蒼の戦姫ナキサ(プロフ) - yersk0402さん» ありがとうございます!!煉獄さんに会いたいですよね!!更新頑張ります! (2020年12月6日 20時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナキサ | 作成日時:2020年11月28日 20時