天才無口無表情ちゃん。【赤羽業】

19限目 ページ21

「てかあっれ、何人か伸されてんじゃーん。Aがしたの？」
『王子様の助けが遅くてね』
「え、意外にロマンチスト？

…まぁいいや。潰す相手結構残ってるし。

で、どうすんのお兄さん等。こーんだけのことしてくれたんだ〜。アンタらの修学旅行はこの後全部…入院だよ」

語彙力と表現力すごいね赤羽くん。
そんなことを思っていると、入口から物音がする。

「へへっ、中坊が粋がんな。呼んどいた連れどもだ。オメェ等みたいな良い子ちゃんにはな、見たことも無いような不良ども…」

現れたのはださい丸メガネにきっちりした学ランの男達。うーん、昭和。

「ふりょ、えええええええ」
「不良などいませんねぇ。先生が全員手入れをしてしまったので！」
「殺せんせー！！」

ヒーローは遅れてやってくる…いやこんな触手ヒーローはやだ。
あと触手がっつり見えてる。顔も見えてる。
おい国家機密。

「遅れてしまってすみません。この場所は君たちに任せて他の場所から虱潰しに探していたので」

何その黒子みたいな顔の布、とやはり突っ込まれていた。
あとしおりをみんなにまた配っていた。

「センコーだと！？ふざけるな！！」

まぁふざけた見た目してるよね。

「うおおおおおお」
「ふざけるな？それは先生のセリフです。

ハエが止まるようなスピードと汚い手でうちの生徒に触るなど、ふざけるんじゃない」

ラスボスの風格…歯が見えると一気に怖くなるなー。

「エリート校はセンコーまで特別かァ？高い肩書きで見下してんだろ…バカ高校だと思って舐めやがってぇええ！！」

「エリートではありません。
確かに彼らは名門校ですが、
学校内では落ちこぼれ呼ばわりされ、
クラスの名前は差別の象徴になっています」

触手ビヨーンて不良を倒していく殺せんせー。

いやあかん。
触手がっつり見られてるどころか見せつけてるレベル。

「ですが！様々なことに前向きに取り組んでいます。
君達のように、他人を水の底に引っ張るような真似はしません」
「ぐあああっ」

暴力ぇ…

「学校や肩書きなど関係無い。
清流に住もうが、ドブ川に住もうが、前に泳げば魚は美しく育つのです」

名言だなー
…神崎さん、救われただろう。

「さて、私の生徒達よ。彼らを手入れしてあげましょう。
修学旅行の基礎知識を体に教えてあげるのです」

背後に回ってしおりで殴るみんな。
えぇ？ねぇ、それしおり。しおり。

「いつの間に、背後に…」
「しかも鈍器を…躊躇いなく…」

鈍器(しおり)

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