彼のコート ページ1
小さい頃から一緒にいた人、
一緒にいることが当たり前な人。
団長＿クロロは、私の恋人だ。
「シャワー浴びてくる。先に寝てていいよ」
『はーい』
クロロは私の頭をそっと優しく撫で、浴室へと向かっていく。
こういう小さな仕草に、一々キュンときてしまう。ずるい男である。
私はクロロを見届けた後、ベッドの上に粗雑に置かれた彼のコートを見た。
そして悩む。ここ数週間は悩み続けている。
どうしよう。少し恥ずかしい。
でも、それでも。
『ちょっとだけ、ちょっとだけなら』
チラチラ浴室を確認しながら、コートを手に取った。
そしてそのコートを抱き締めて、ふさふさな部分を口元に押し当てる。
『もふもふ…!!』
肌触りが良くて、すりすりと頬に擦り寄せる。
究極の気持ちよさを見つけてしまった…
一通り堪能すると、冷静になった。
私は何してるんだろう。
『…クロロの匂いがする』
くんくんと嗅ぐと微かな香りが鼻腔をくすぐる。落ち着く匂いだ。
待て、これじゃ変態じゃないか。
でも、もう少しこのまましたいような＿＿＿
「…A」
『ひゃいっ!』
突然呼ばれた名前にビクリとする。
振り返ればクロロの姿が。
『えっあ、えっ?』
待って、見られて?
素早くコートを手放す。
『あの、クロロ、』
「ん?」
『これは、その。違くて…!!』
上手く言葉が出てこない。
なんて言えば言い逃れ出来るだろうか。
…いや、これは出来る気がしない。
「そう。俺にはAが俺のコートを抱き締めているように見えたけど、そっか、違うか」
『いや、えっと』
まさか見られるとは思っていなかった。
ていうかあれ?クロロ全然濡れてない。シャワーに入ったんじゃ。
「"ちょっとだけ"なんて言って頬擦りしたり、俺の匂いがするとか言って匂いを嗅いでたりしてたのも気の所為か」
『えっ!?』
何で知ってるの!?
最初から見られてた?何それすごく恥ずかしい!!
「ん?気の所為にしては顔が赤いな、A?」
『もう何も言わないでください…』
降参である。
うぅ、と顔を手で覆い隠した。
『なんで見てたの…?』
「最近Aがコートを見てそわそわしてたからな。仕掛けるなら今だろうと」
『完全に読まれてるじゃん…』
完敗。
クロロには勝てる気がしない。
「いや?読み切れなかったよ。思った以上に可愛いことをしてくれるから驚いた。
…寝ていいって言ったけど、やっぱ無しで」
天井が目に入り、私はようやく押し倒されたことに気づいたのだった。
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アマネ(プロフ) - リクエストってよろしいでしょうか？ (2021年5月7日 17時) (
レス) id: f8218117cc (このIDを非表示/違反報告)
たにーさん - マジおもろい、R18ばんも普通に見たいけど見方がわからん (2020年9月3日 3時) (レス) id: 0ff6ba9ef6 (このIDを非表示/違反報告)
ユウナ(プロフ) - 最っ高でした！今までこれ程までに心臓が止まりそうになったこどがないくらいキュンッとしました！！ (2020年8月7日 14時) (レス) id: ba46aa434f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼の戦姫ナキサ
| 作成日時：2020年2月10日 22時
