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『どうしたの?竈門くん』

「華宮さーーーーん!あの、聞きたいことがあって
あと、俺のことは炭治郎でいいですよ!!」

『じゃあ炭治郎くん、聞きたいことって?』

「禰豆子...あ、俺の妹のこと鬼って知っていたんですよね?なんで何もしなかったんですか??」

『どうしてそれを聞くの?』

「あっえっと何もしないのは嬉しいんですけど、他の人は斬りかかったり俺から引き離そうとしたのにどうしてかなって」

『この間柱合会議、あったんでしょ?』

「はい、どうしてそれを?」

『柱の方の中に仲良くさせていただいてる人がいるの。その方に聞いたよ』

「なるほど...」

『で、なんでかだっけ
御館様が決められたことでしょ?私がなにか口出ししていいことじゃないんじゃない?』


そう、私が簡単に口出しできることでは無いし、この問題を解決するためには先が長い。

彼女の首を斬ることでなにか現状が変わるなら今すぐにでも刀を抜くけど。

でも、今の段階で彼女が誰一人として人を喰っていないのなら少しだけ信用してもいいのかもしれない。

彼女が少しでも人を喰うに値する行動が取れたら、信用なんてものは木っ端微塵になるが

「華宮さんは優しいんですね」

彼はそう言ってふわりと笑った


優しい?私が?

今まで沢山の鬼を斬ってきた。

兄弟のうち、鬼にされてしまった兄の首を弟の目の前で斬った。

明日、嫁入りするからそれまでは待ってて欲しいと、とある娘の母親に言われた。
でも彼女はもう人間とは言えない姿で既に暴れていた。
そんなのを放っておいたら被害が拡大するに決まってる。
そう思いその日のうちに斬ってしまった。

”人殺し”

そう、たくさんの人に言われた。

申し訳ないと思った。可哀想だと思った。
それでも私は鬼狩りだから。
1人でも多くの人の命を守るために、1匹でも多くの鬼を斬る。
もしかしたら目の前にいる家族ですら殺してしまうような鬼だ。その時斬ってしまわないと後々どうなるか分からないから。

そんな私が優しい??

『...炭治郎くん、私は優しくなんてないよ』

「そんなことないですよ」

そう言って、彼はまたふわりと笑った。

「華宮さんは人の気持ちを考えられる人です。」

捌→←陸



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作者名:紫陽花 | 作成日時:2023年5月29日 22時

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