拾肆 ページ14
子供たちをご両親の元に返したあと、ご両親と、それから村の人たちにもたくさんお礼を言われた。
鬼殺隊士をやっていると、お礼なんて言われるのは少ないから嬉しくなった。
任務を遂行するという目的なはずなのに。
沢山「ありがとう」と言ってくれた。
心身ともに温まる言葉をかけてくれる優しい村の人達だった。
帰り道、嬉しくて少し口角が上がってしまった。
「何ニヤニヤしてるの?ちょっと気持ち悪いよ」
『辛辣だね時透くん
私が笑わない人間だと思った?』
「だって、今日一緒にいた時間1度も笑わなかったでしょ?」
『そう?なのかな
だとしても、嬉しいことがあったら笑顔になるよ。少なくとも、私はね』
「嬉しいこと?」
『うん。さっきの村の人たち、私たちに沢山お礼を言ってくれたでしょ?
それが嬉しくて』
「ふーん、それよりさ」
『それよりって...』
「その火傷放っておくと酷くなるんじゃない?刀を使わなきゃいけないのに、刀を使うための腕を怪我してたら意味ないじゃん」
時透くんは少し嫌味っぽく言ってるように聞こえるけど、やっぱりどこか優しさが含まれているような気がする。
『ありがとう』
そう伝えると、なんのことか分からないのか首を傾げていたけどまあいいかと思った。
それに首を傾げる姿が可愛らしかった。
朝日が差し始めた頃、私達はそれぞれ次の任務があるので別れることになった。
『じゃあね時透くん』
そういうと時透くんは
「......うん」
と、言ってくれた。
挨拶ではなかったけれど、無口・毒舌で有名な霞柱が返事をしてくれてやっぱりまた、心が暖かくなった気がする。
『雅、次の任務は?』
「次ハ__」
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作者名:紫陽花 | 作成日時:2023年5月29日 22時