離れていく ページ32
「そういえばAって……」
磯貝君が何かを言いかけた時、私の頭は真っ白になった。
「おとう……さ……」
「なんだ、彼氏か？」
何事も無かったかのように、お父さんが私の前に現れた。
私は、恐怖心から体が震え、呼吸も苦しくなった。
「そんなんじゃ……ない……。行こ、磯貝君……。」
「え、いいのか？ Aのお父さんなんじゃ……」
「違う！ 私のお父さんじゃない……お父さんじゃ、ないの……」
絶対に知られたくなかったのに。
こんな形でお父さんの事知られるなんて最悪だ。
でもまだ、「あの事」についてはバレてない。
落ち着こうと、私は一呼吸置いた。
「父さんじゃないなんて酷いな、あんな事した仲なのになぁ？」
「あんな事……？」
こいつ……！
「それ以上言ったら、タダじゃおかない……！
お金は渡してるんだからこれ以上干渉しないで！」
「はいはい。娘の彼氏に手出す気は無いから安心しろ。」
そう言うと、お父さんはそのまま通り過ぎて行った。
私は、力が抜けて、その場に座り込んだ。
「A！？ 顔真っ青だけど、具合でも悪いのか？」
「あ……うん……大丈夫！ あの人、他人だから……気にしないで？ 家族でもなんでもないから！」
この世界に来てから、誰にもお父さんの事を知られまいと思って過ごしてた私。
でも、そんな事無かった。
知られちゃいけない人が、増えただけ。
「なんでもない人に、お金渡してるのか……？」
「あの人は、そういう人だから……本当に気にしないで！」
「お、おう……。」
知られたらまた離れていく。
また一人ぼっちで、過ごさなきゃいけなくなる。
──Aのお父さんって暴力振るうんだってさ。
──Aちゃんとは関わるなってお母さんが……
私は、何も悪いことしてないのに。
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詩帆(プロフ) - 凄く素晴らしい作品！なんで順位ついてないの･･･？ (2021年7月13日 17時) (
レス) id: 46695abdda (このIDを非表示/違反報告)
コノハナサクヤ(プロフ) - 美桜さん» ありがとうございます！頑張らせていただきます！ (2019年1月27日 23時) (レス) id: d9d1b0d776 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - おおおおおもしいです！更新頑張ってください！ (2019年1月27日 20時) (レス) id: d73a6f0aa2 (このIDを非表示/違反報告)
コノハナサクヤ(プロフ) - 白木里沙さん» ありがとうございます！更新頑張ります！ (2019年1月25日 23時) (レス) id: d9d1b0d776 (このIDを非表示/違反報告)
白木里沙(プロフ) - んほんほんほほ（なんやこいつ） 新作ですね!!! いやー、一気に見てしまいます…！ 面白くて…続きが気になりすぎます…！ 更新、がんばってくだせぇ!!兄貴ィ!! (2019年1月24日 21時) (レス) id: 69bdcdfefa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コノハナサクヤ | 作成日時：2019年1月15日 23時
