戻りたければ手を汚せ―同田貫清国編― (ページ10)

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男士高本丸の同田貫清国―顕現した理由― ページ10

少し前のちょっと濃い記憶を思い出しながら正国の後ろを歩き、部屋に案内される。
そして、部屋に入ると正国と同じ黒のジャージ１セットが綺麗に畳まれて畳に置かれていた。

「着替えるから脱げ。」
「『分かったよ。少し、待っておくれ。』」

本体を壁に立てかけ、戦装束を一着ずつ脱ぐ。
上半身が一糸纏わぬ姿になった所でジャージの下に着る黒のシャツを着る。
その次にジャージに袖を通し、チャックを閉じようとするが、自分がやりたいのか。正国が腕を掴む。

「『正国…？』」
「俺がやる。」
「『これくらいなら私でもできる。』」
「まだ人の器を貰ったばっかりだろ？
　最近、俺はちゃんとできるようになったんだ。だから、俺がやる。」
「『やらなければ出来ないのなら、私がやらないといけない。』」
「…俺が、やる。」
「『この清国をダメにしたいのかい？』」
「……。」

黙って清国の腕を離す。
表情は不満げ…というより睨んでる。
でも、清国は知らないフリをしてチャックを閉じる。
今、正国と会話し動かているのは清国だが、元々の体の持ち主はA。
当たり前のようにチャックを上まであげて、ズボンも履き替える。
手甲も外し、服を全て畳む。

「『…さて、我らが主のもとに案内してくれるかい？』」
「…あァ。」

障子を外さないように乱暴に開け、清国の腕を掴むと主の待つ大広間へ大股で歩く。