戻りたければ手を汚せ―同田貫清国編― (ページ30)

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男子高本丸の同田貫清国―看病―　⑤ ページ30

かき玉子のスープも完成し、盛りつけもして大広間の机に置いていく。
後は全員呼べば良いだけ。

「『誰も来ないのは不思議ですね…。』」
「俺みたいに小さくなっているか……人の身を保てずに刀になってしまったか。」
「『槍を忘れないでください。』」
「……俺たちは刀だからな。
　槍も薙刀も一本ずつしかないのだから仕方ない。」
「『迎えに行きますか…。』」
「俺も行こう。」

最初に道場で手合わせしている山姥切と正国のもとへ歩く。
だが、清国と大倶利伽羅の歩幅の差が大きく、大倶利伽羅が走らないと追いつけなくなってしまった為、背負って向かうことにした。

――――
――。

道場につき、小さくなってしまった山姥切と正国を見つけた。
瞬間に大倶利伽羅は清国から降りて、散乱した衣服を畳み始める。
清国は小さくなった正国へ一目散に駆け寄り人形のように抱きしめる。
「ぐぇ」と聞こえたが、聞こえないフリ。

「『ああああぁぁぁあああぁぁあああぁぁ……。』」

口から魂が抜けてきそうな声。
懐かしさや可愛さやら混じって立派なダメ薙刀(ブラコン)と化す。

「あーにーきー。」
「『あああぁぁぁああぁああああああぁぁぁ…。』」
「はーなーせー！」
「『あああぁぁぁああぁああああああぁぁぁ…。』」
「いい加減に………――――しろ！！」

全力のボディブローで、清国が床に倒れる。

「……裸同然の状態で抱きしめられても困るっての。」
「裸じゃなければいいのか。」

冷静に二振り分の衣服(下着込)を畳みながら、言う。

「………悩むな。」
「悩むな。」

清国が腹を抑えながら起き上がる。
そして、布に包まってメジェド様状態の山姥切を確保する。

「『昼餉が出来たので呼びに来ました。
動けるように服を捲りますから逃げないでください。』」