6days ページ8
家を出て十分後､私はあんていくのドアの前に立っていた
「…ここがあんていく…？なんか普通のカフェなんだね」
『そりゃ喰種だってバレたら喰種捜査官に殺られるからね』
「……え」
あんていくのことを聞いたのに､なぜか､喰種捜査官のことを聞かされて少し驚いた
「え､喰種って人にバレたらダメなの？」
『詳しいことは後で話すから､早く入ろうよ｡あ､あと隻眼ってことは誰にも言っちゃ駄目だよ？』
……何かはぐらかされてばっかりだな
まあいいや､早く入ろう…
そうっと入り口のドアを押すと､カランカラン､と小気味よい音が響いた
カチカチに固まりながら席に座ると､カウンターの方にいた女の子が私の席へ向かってくる
可愛い顔の子だなあ､なんて呑気にその子の顔を見ていると､睨まれた
？？「ご注文は？……あと､アンタ最近何してたの…後で話聞かせろこのバカ」
「え…？…えっと珈琲でお願いします…？」
いきなり暴言はかれたんだけど……
私何かしたっけ……
『彼女は霧島董香｡羽赫の喰種さ｡君の親友だったんだけど……君は記憶喪失ってことにしておいた方がいいかもねぇ』
私の座っている椅子の下で､丸まりながら､つらつらと話している
記憶喪失か……確かに何も知らないしなぁ､私
そう言えば､トーカちゃん？の言ってた後で話聞かせろってどういうことなんだろう……
運ばれてくる珈琲を見ながら､私はぼんやりとそんなことを考えていたのだった
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作者名：ぱちぱちソーダ飴 | 作成日時：2018年9月9日 0時
