俺のオンナ【佐野万次郎】

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誕生日会も終盤に差し掛かった頃。


ドラケンと目を合わせてそろそろじゃない？なんて言う会話を目でする。




誕生日と言ったら、やっぱケーキでしょ。

って言っても私にケーキは作れないし、三ツ谷くんも来る時に形崩れるから、なんて言って結局買ったやつだけど。



場地が“俺が買ってきてやる”なんて自分から言い出すから一応今回は場地に頼んだ。

…そんな私が馬鹿だったと、思い知らされることになる。





『場地、ケーキは？』


「…あ゛？」


『あ゛？じゃないよ、ケーキ！頼んだじゃん！』





私はマイキーに気づかれないようこそっと場地にそう言う。

しかし、私が聞いても場地はケーキがある場所を言おうとはせず、なぜか気まずそうな顔で目をそらす。


…おい、やったな。

場地お前やりやがったな。





「わ、忘れちった」


『……』


「い、今から買いに…」


『そんな急に誕生日ケーキ出てくるわけないじゃん』


「んじゃ手作り…」


『いまから？誰が？どこで？』


「……」


『さいっあく…』





最高の誕生日にしてあげよう、って思ってたのに。

場地のバカ。


私は大きくため息をつき場地から離れる。

そのままソファに腰を下ろせばオロオロしながら場地がまた私に近寄ってくる。





「オ、オイ、悪かったって…」


『謝って済んだら警察はいらねぇんだよ！！！』


「おまっ、声でか…」


「おい場地、お前Aとさっきからそこでなに話してんだよ」


「それは…」


「場地さん？顔引きつってますよ？」


「……」




しばらく場地と2人で話していればなにかを怪しむようにこちらを見てくるマイキー。

するとそれに気づいたみんなは一斉にこっちを見てくる。



あーあー、バレちゃった。

いや、結局はバレるわけだし。

なんなら隠せるわけないし。


どこか吹っ切れた私は立ち上がり、普段より大きい声でみんなに言った。





『場地がお願いしていたケーキ買うの忘れましたー』


「ハァ？」


「おい場地、なにやってんだよ」


「おいてめぇA！なに堂々と言って…」


『悪いのは場地でーす』


「場地、オモテ出ろ」




私が堂々とバラせばマイキーが怒ったようにそう場地を呼ぶ。

マイキーってこう言うの楽しみにしてる系の人だし、ましてやそれが場地の仕業だから怒るのもわかる。



そんなマイキーを宥めるドラケン。

やっちまえばよかったのに。

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