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『……』
あれから家に帰ってもずっと千冬のことが頭から離れない。
もっと言えば、告白と、キスされたってこと。
それは結局朝まで忘れることはなく、全然眠れなかった。
気づけば翌日の7時。
毎日同じ時間に設定してあるアラームでハッと気がついた。
「…ひどい顔ねぇ」
『……』
「あら朝ごはんは?」
『…いらない』
朝から私の顔を見てギョッとするママ。
朝ごはん?
食べる気になれない、そもそも食欲わかない。
少し心配そうに私を見つめるママを置いて私はのそのそと玄関で靴を履く。
学校休めるもんなら休みたいけど、なんか休んだらそれはそれでちょっと気まずくない?
色々考えた結果学校には一応行くことにした。
重いドアを開ければ外には青空が広がる。
こんな日に限って快晴とか、いじめか。
曇りとかにしてくれ私の感情的に。
・
・
『おはよぉ』
「はよ…ってひでぇ顔だな」
『……』
「いつもに増してブスだぞ」
『……」
学校につけば千冬は居なくて教室で場地は1人だった。
朝来てまず自分の教室ではなく場地の教室に行くってのはもう日課だからしょうがない。
いつものようにバカにしてくる場地だけど、今日はツッコむ元気もない。
そんな私を不思議に思ったのか場地は私の顔を覗き込むようにしてみる。
「なんかあったか?」
『へ…』
「話くらいなら聞いてやるけど」
『場地…!』
どうしよう場地が神様に見える、輝いてるなんでだろう。
疲れすぎて錯覚見え始めてるのかもしれない。
そんなことを考えながらも心の中ではすごく嬉しい、というか助かった感じがした。
場地に昨日あったことを全部話そうと思いいつものように前の席の座ろうとすればタイミングのいいところで1番会いたくない人の声が聞こえた。
「うーっす、場地さん」
「おー、千冬」
「コイツは朝からなにしてんスか」
「あー、なんか様子おかし…」
『場地ぃぃぃいい!』
張本人の前で話そうとする場地を私はそう叫んで止める。
だいぶ大きい声だったのか、場地と千冬はもちろん周りにいた人たちも驚いた顔で私を見ていた。
恥ずかしい。
でも私の頭の中はそんなことより此処に千冬が居る、という事実の方が大きい問題。
とりあえずと思い私は場地の背中に身を隠した。
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みや(プロフ) - にるさん» そんな風に感じながら読んでもらえてすごく嬉しいです!ありがとうございます! (2021年9月3日 23時) (レス) id: d7231c8dfb (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - まちゃさん» ぜんぶ嬉しいお言葉ばかりで泣きそうです…!ありがとうございました! (2021年9月3日 23時) (レス) id: d7231c8dfb (このIDを非表示/違反報告)
にる(プロフ) - 読み始めた頃は物語がどんな感じで進んでいくのか予想がつかなかったのですごく面白かったです!新作も楽しみにしてます!! (2021年9月3日 11時) (レス) id: 1dc1023941 (このIDを非表示/違反報告)
まちゃ(プロフ) - 終始きゅんきゅんしながら見てました; ;タイトルからして面白そうだなと思っていて、いつも通知が来る度喜んでました笑。夢主の性格もThe女の子という雰囲気がないところが好きです!次回作も楽しみにしてます! (2021年9月3日 9時) (レス) id: 9bf8242341 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 無気力に自信が有る人さん» 場地さんにはどっちでもいけるポジションでいてほしかったです()ありがとうございました! (2021年9月3日 2時) (レス) id: d7231c8dfb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みや | 作成日時:2021年8月25日 0時