34★番外編 ページ34
「あの…私ずっと場地くんのこと好きで…」
「おー」
「よかったら付き合ってくれませんか…?」
下を俯きながら恥ずかしそうに言葉を並べるその子。
まぁ、世間で言ったらこう言う子が可愛いって言うんだろうな。
なんて呑気にそんなことを考える。
「…わりぃけど、ごめん」
「そう…ですか…」
一言、そう返事をする。
告白なんて滅多にされねぇし、返事がこれであってんのかわかんねぇけど。
告白っつったら一回Aが俺のこと好きって言ってたことあったな。
あん時普通に言うもんだからこっちが恥ずかしくなったっけ、なんて思い出すとおかしくて思わず口角が上がる。
「好きな人…いるんですか?」
「…好きな人か…いるわ」
ありきたりな質問に、俺はそう答えた。
それからその女子は聞いてくれてありがとう、なんて言いながらその場を去っていった。
好きな人。
そう言われると思い浮かぶのは何故かAの顔で。
なんでだろうな、千冬と付き合ったってこと知ってからどこか苦しくて。
それがなんでか、わかった気がするわ。
いつか千冬のこと応援する、なんて勝手に意気込んでたっけか。
んなことしなきゃよかったな、なんて少し後悔。
教室帰るか、そう思って足を動かそうとした時。
壁の角から聞こえる聞き覚えのある声。
『ちょ、押さないでよ!』
「Aが推したんだろ、ばかバレる!」
『静かに千冬!』
「…バレてんだよ、お前ら」
声の方向に足を進めればそこには案の定Aと千冬。
人の告白見てるとか趣味わりーよ、お前ら。
俺の顔を見て目線をずらしながら頭を掻く千冬と口笛を吹きながらすっとぼけた顔をするA。
Aに関しては論外。
「ほら、んなとこで遊んでないで帰っぞ」
俺がそう言って教室に向かえばその後を急いで追ってくる2人。
「場地さん!今日ペヤング食いましょう!」
「半分コな」
『じゃあ私も!』
「お前も一緒じゃ半分じゃなくて3分の1になるじゃねーか、Aはだめ」
『ええ!千冬意地悪嫌い!』
俺の後ろでいつもみたく口喧嘩を始める2人。
この2人の喧嘩を聞くのは案外嫌いじゃない。
まぁ、なんだかんだ言って今はこの2人のことを見てんのが1番楽しいのかもな。
「お前ら、それ以上喧嘩したらどっちもペヤング無しな」
「『ええっ』」
_____________ライバルに好かれた.番外編.Fin
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みや(プロフ) - にるさん» そんな風に感じながら読んでもらえてすごく嬉しいです!ありがとうございます! (2021年9月3日 23時) (レス) id: d7231c8dfb (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - まちゃさん» ぜんぶ嬉しいお言葉ばかりで泣きそうです…!ありがとうございました! (2021年9月3日 23時) (レス) id: d7231c8dfb (このIDを非表示/違反報告)
にる(プロフ) - 読み始めた頃は物語がどんな感じで進んでいくのか予想がつかなかったのですごく面白かったです!新作も楽しみにしてます!! (2021年9月3日 11時) (レス) id: 1dc1023941 (このIDを非表示/違反報告)
まちゃ(プロフ) - 終始きゅんきゅんしながら見てました; ;タイトルからして面白そうだなと思っていて、いつも通知が来る度喜んでました笑。夢主の性格もThe女の子という雰囲気がないところが好きです!次回作も楽しみにしてます! (2021年9月3日 9時) (レス) id: 9bf8242341 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 無気力に自信が有る人さん» 場地さんにはどっちでもいけるポジションでいてほしかったです()ありがとうございました! (2021年9月3日 2時) (レス) id: d7231c8dfb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みや | 作成日時:2021年8月25日 0時