俺のモノ【佐野万次郎】

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『んん…』



気がつくとそこはいつもの景色。






棚の上には伏せられた写真が置いてある。



戻ってきたんだ。

戻ってきた？いや、これは夢だったのか。




あまり状況を理解しきれないまま私は時計を見る。







朝の7時。


ちょうどいい時間に起きた。





私はのそのそと準備をし始める。


カーテンからは明るい日が差し込んでいて、少し眩しい。





簡単にメイクをして髪の毛を束ねる。


それからいつものスーツを着て家を出た。






なんだろう、いつもより世界が明るい気がする。


これは、ただの思い込みなのかもしれないけど。



それでも少し嬉しくて、夢のことを思い出しながら会社に向かった。







・








・







『はあ…』




1日が終わり、私は帰ってくるとすぐにまたソファに横になる。


いつもの、何倍も疲れたかもしれない。








なんだか今日は周りが少し変だった。





いつも寄ってくるめんどくさい男が、今日は一度も声をかけてこなかった。


そればかりか全く知らない人に馴れ馴れしく話しかけられたり。




まるで、世界が変わったみたい。







なんて、私の気のせいかな。


そんな事を考えながらまた私は眠りについた。

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