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覆い被さったのは良いが、掴まれた腕が痛い。





『ちょ、離してよ』


「また逃げんじゃねーか」


『逃げないって。何で私からこっち来たのに逃げるのよ』


「…確かに」






私がそう言うと、万次郎は私から離れた。



そしてそのままベッドの上であぐらをかき、私に話しかける。






「オマエ、日曜日のA?」


『なんでそんな鮮明に覚えてるの』


「うるせー、答えろよ」


『…まぁ、そうだけど』






私がそう言うと、急に目の前が暗くなる。




理解するのにそんなに時間はかからなかった。


万次郎に抱きしめられているんだ。






『ちょ、急になにっ、』


「会えないかと思った」


『え?』


「最近ずっと冷てぇ方のAだったし、前はしょっちゅう来てたのに来なくなったから、」






そう言う万次郎の声は少し震えていて、思わず頭に手を伸ばした。


そのまま優しく万次郎の頭を撫でる。







『大丈夫だよ、こうして戻ってきたじゃん』


「…おう、」





なんだか子供をあやす親みたい。


そんな事を思いながら頭を撫でていると、しばらくして落ち着いたのか万次郎は私から離れた。







「つーか、なんで俺んとこ来たの?用事でもあったのか?」


『あ、そう言うわけじゃなくて』


「は?じゃあどう言うこと」


『謝りたかったの』




私がそう言うと、万次郎は不思議そうな表情を浮かべたが、しばらくして何か気づいたような顔をする。







『日向や三ツ谷くんに聞いたの。万次郎にすごい申し訳ない態度だったって…』


「まぁ確かにあれはひどかった」


『ほんと、ごめん』


「俺結構凹んだんだけど?関わりたくねぇとかさ、ひどすぎ」


『だからごめんって』





何回もごめんと謝るのにぐちぐちと不満を言う万次郎に少しイラついて睨みながらそう言うと、今度は万次郎が笑いながら私の頭に手を置く。






「じょーだん。またオマエに会えたから、許す」


『…ありがとう』





久々にこの笑顔を見たかもしれない。


言っても4日前くらいに見たんだけどね。



最近なんかすごく久々に感じる。

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沙耶(プロフ) - ハッピーエンドで安心しました!作者さんありがとう♡ (2022年6月21日 19時) (レス) @page30 id: 5943b8e857 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 苺ミルク飴さん» ありがとうございました!マイキーには独占欲強めでいて欲しいと言う勝手な願望です笑別作の方も是非お願いします! (2021年8月15日 1時) (レス) id: d7231c8dfb (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - ピッキーさん» ありがとうございました!内容薄すぎる作品になっちゃいましたがそんな風に言ってもらえてすごく嬉しいです! (2021年8月15日 0時) (レス) id: d7231c8dfb (このIDを非表示/違反報告)
苺ミルク飴(プロフ) - 完結おめでとうございます!すごく面白かったです!!マイキーの独占欲がすごくて読むたびニヤニヤしてました笑夢主ちゃんもとても可愛くて、読んでいてすごく楽しかったです!別作の方の更新頑張ってください!応援してます! (2021年8月14日 23時) (レス) id: 976df8db05 (このIDを非表示/違反報告)
ピッキー(プロフ) - 最後まで、読ませていただきました!とっても、面白かったしハッピーエンドで終わって本当に良かったなぁと思いました!ありがとうございます! (2021年8月14日 20時) (レス) id: 277d56b499 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みや | 作成日時:2021年8月7日 21時

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