【短編集】誰かと甘いひとときを2【仮面ライダー・戦隊】

真に彼女を守れるのは誰か【K/剛】 ページ47

「あの、すみません…。」
「ん？」

その出会いは偶然だったのかもしれない。彼女が街で俺に声をかけてくれてなかったら、こうはなってなかったかもしれない。

「どうしました？」
「久瑠間運転免許試験場まで行きたいんです。場所をご存知ありませんか？」

春によく映える白のふわっとしたワンピースをなびかせて、彼女は不安そうに俺に聞いた。

「それなら俺も今から行くとこだったんで、案内しましょうか？」

その日はやることもなくて、進兄さんのとこに顔を出すつもりでいたから、ナイスタイミング。俺は彼女と世間話をしながら、久瑠間運転免許試験場まで案内した。

「＿それじゃあ、剛さんは特状課によく行ってるんですね。」
「そ！ほとんど身内みたいな感じ。」

目的地に着く頃には、お互いを名前で呼ぶくらいに親しくなっていた。

「莉乃さんの目当ても特状課だっけ？」
「ええ…少し困ったことになっていて…。お力を借りたいんです。」

そのまま彼女を特状課まで案内して、そのまま流れるように事情を聞いた。
不思議なストーカーにしつこく付き纏われているらしかった。

「よし、とりあえず近辺の警護から始めよう。」
「あ、進兄さん、俺も手伝うよ。」

男手は多い方がいいと思って、協力を申し出た。理由はそれだけじゃないけど。

「みなさん…どうかよろしくお願いします…！」

今日のところは詳しいことだけ聞いて、彼女を帰らせた。

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