【短編集】誰かと甘いひとときを【仮面ライダー・戦隊】 (ページ6)

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ノせられCaution【医者/貴利矢】ページ6

ここは、聖都大学附属病院。あなたはここで働く外科の看護師だ。

「やっとカルテの整理終わった〜…っと、もうこんな時間！？あちゃー…時間かけすぎたなぁ…。」

鏡先生に怒られる〜…！と小声でぼやきながら、慌ただしくデスクの片付けを始めた時、コンコン、とドアがノックされる音がした。

「はーい、って、九条先生？外科の病棟でお見えになるの、珍しいですね。どうかされましたか？？」
「んー？こんな時間まで明かりついてるから、誰かいるのか気になってさ〜。ちなみに、あなたちゃん以外の看護師さんはみーんな帰っちゃったよ？」

え、うそ！？とナースステーションを覗くが、明かりはない。自分が他の看護師にあまり好かれていないことは薄々勘づいていたが、ここまでだったか…とあなたは少し肩を落とした。

「その様子だと、知らなかったんだ？」
「はい…九条先生が声をかけてくださらなかったら、ずっと気づかなかったかもしれません。わざわざありがとうございます！」

では、片付けをしてきますので失礼します！とひとつお辞儀をして、あなたはナースステーションに戻った。しかし貴利矢は動かない。

「あら…？九条先生、お帰りにならないんですか？」

病院の裏口から出たところに、貴利矢がバイクのエンジンをかけた状態で待機していた。

「自分も男だし、夜遅くまで働いてる女の子に遭遇したらちゃんと家まで送り届けるのが役目だと思うんだよね。」

遠慮するあなたに対して貴利矢は、「はい、ちゃんと頭守ってね〜。」とヘルメットを被せバイクの後ろに乗せる。

しばらく2人に無言の時間が訪れた。

「九条先生は…いつも優しくしてくださいますね。」

唐突に、あなたがそんなことを言った。

「そう？自分、そんなに優しくしてるつもりなかったけど？」
「いえ。九条先生は優しいです。いつもいつも私に声をかけてくださるし…。」