【短編集】誰かと甘いひとときを【仮面ライダー・戦隊】 (ページ46)

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「そんな、流星のせいじゃない…！私が弱かっただけ。」

あなたはすかさずそれを否定したが、流星の顔は晴れないままだ。

「…みんな、ごめん。少しだけ流星と2人にしてもらえるかな。」

各々、あなたの言葉頷いてラビットハッチを出る。

「どうしてみんなを？」
「あのね、流星。これ、ほんとに恥ずかしいから言いたくなかったんだけど…。」

ベンチに横並びで座り、あなたがひとつ前置きをして語り始めた。

「ほら、私、気が弱いから…流星の彼女が私でいいのかなって不安で…。」
「それとゾディアーツ化したことと、なんの関係が…？」

あなたは言おうか言うまいか逡巡して、覚悟を決めた。

「流星が、隣に立たせても恥ずかしくないって思ってくれるような彼女になりたかったの…！！だから、そんな内情がゾディアーツスイッチと惹かれあって…。」

流星は、頬を赤らめるあなたを見ながら唖然とした顔で立ち上がった。

「あなた…そんなこと思ってたのか…。」
「ごめんなさい…。」
「いや、謝るべきなのは俺の方だ。」

流星はふっと振り返ってあなたをおもむろに抱きしめた。

「自分の彼女が、不安に思っていることに気づけなかった。その上こんな危ない目にも合わせてしまった。すまない…。」

流星の肩に、あなたの涙が零れ落ちる。

「俺はもっと強くなる。あなたが自慢できるくらい強くてしっかりした男になる。」
「そんな…流星はもう、とっくに自慢の彼氏だよ。」

あなたはそう言ってまた一筋、涙を落とした。しかし表情は晴れやかで、もう心に巣食う闇の影は見られなかった。

「さ、弦太郎たちを呼ぶか。」

流星がラビットハッチの出入り口を開けた瞬間。

「うぉぁあ！？」

先頭に立っていた弦太郎と、その後ろに控えるライダー部の面々が、バランスを崩して次々になだれこんできた。

「…まさか、全部聞いてたのか？」
「わ、わりぃ流星！！美羽が気になるって言うから！」
「わ、私は隼が気になってそうだったから！！」

まぁ、つまりは、ライダー部全員、ことの行く末が気になって盗み聞きに走ったということだ。

「なるほど、そうか…。弦太郎、表に出ろ！！」
「なんで俺だけなんだよぉぉお！！！」

こうして、仮面ライダー部にはまたあなたの笑顔を共に、平穏が戻ったとかなんとか…。