【短編集】誰かと甘いひとときを【仮面ライダー・戦隊】 (ページ32)

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〇未来の約束【未来/アヤセ】ページ32

まれなさん、リクエストありがとうございます！

「おはよう…って、どこか出かけるの？」

いつものようにピシッと服を着こなすユウリの問いに、いつもよりめかしこんだあなたは早口で答える。

「今日は1日アヤセとドライブしてくるから！」
「あなたさん、アヤセさんとデートですか？」

シオンのニコニコとしたツッコミに、あなたは顔を赤らめながら怒鳴る。

「は！？ち、違うし！ただアヤセが車で僕の行きたいところに連れてってくれるっていうから…べ、別にデートとかじゃないんだからな！」

玄関でショートブーツを履きながらシオンに言い放つと、後ろでドモンとタツヤが「はいはい、行ってらっしゃい。」と眠そうに返事をした。

トゥモローリサーチの事務所を出て、止まっているスポーツカーの窓をノックする。

「やけに時間かかったな。大丈夫か？」
「みんながやいのやいのうるさかっただけだ！」

シートベルトが閉まると、ゆっくり動き始めるスポーツカー。

20世紀にきてから、アヤセがまた車に乗るようになった。車に対しての熱情を抑えることが減った。今回のドライブはそれが嬉しかったあなたがアヤセを誘ってのことだった。

「どこか行きたいところがあるのか？」
「別に。遠くまで行ければ、どこでもいい。」

高速道路に乗って初めての会話がこれ。あなたは言いたくてこんな言い方をしてるんじゃないのにな…といつも言ったあとに後悔するタイプだ。

しかし、本人が気づいてないだけでそれはみんなが知っていること。もちろん、アヤセも。

「お前、ほんと性格可愛くねーな。」
「…アヤセだって性格面白くないくせに。僕のこと言えないだろ。」

またこうやって。こういうところが可愛くないのだと、あなたはちゃんと頭でわかっているのだ。

「ま、確かに人のこと言えないな。けど、まぁ。俺はお前のそういう部分も含めて好きになったんだな。」
「………え、は！？す、す、好き…って僕を？？か、からかうな！！」

突然のカミングアウトにあなたは噛み噛みだし、顔が真っ赤である。

「なぁ、あなた。」

先ほどとは変わって真剣な声色に変わるアヤセ。つられるようにあなたも少しだけ背筋を伸ばす。

「全部おわって30世紀に帰ったら…またおれの運転する車に乗ってほしい。」
「ばか。頼まれなくてもこっちが勝手に乗り込んでやる。」

いつになるかわからない千年先の未来を思って。

2人をとりまく約束を乗せ、車が一直線に走り抜けていった。