【短編集】誰かと甘いひとときを【仮面ライダー・戦隊】 (ページ4)

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全・力・恋・愛【宇宙/弦太朗】ページ4

使われていない部室のロッカーから、いつものようにラビットハッチへ。目のくらむような真っ白い光があなたの体を飲み込んでいく。

「よっすー！！！って…あれ？私が1番乗りかぁ。」

今日の活動は〜とウキウキしながらラビットハッチへやってきたが、予想外にもあなたが1番乗りらしい。テキトーにソファへ腰掛け、リュックサックをおろした。

「美羽先輩とか賢吾くんとか、いつも先に誰かいるのになぁー。」

誰もいないラビットハッチはこんなにも広かったのかと痛感しながら、誰か来るまで一眠りしていようかと顔を伏せたその時。

「お？はえぇなあなた！」

我が仮面ライダー部の設立者、如月弦太朗がやってきた。

「あ、弦太朗！おつおつ〜。誰もいなくてびっくりしたんだよ！」

内心、(弦太朗と2人きりか…平静装わなきゃな…)とか思ってるのはお首にも出さず、弦太朗と言葉を交わす。

「みんな遅いね〜。」
「あ、あぁ…もうちょっとかかるんじゃねーか？」

いつもと違って歯切れの悪い物言いにあなたは違和感を感じた。

「どしたの弦太朗。あ、みんなになんかやる事お願いしてきた？そしたら私も手伝いに…」

行ってくるよ、とラビットハッチを出ようとした時、左手を掴まれた感覚が。

「え、あ、いや、…わりぃ！」
「ほんとにどしたの弦太朗…なんかあった…？」

あなたがそう聞くと、若干なにかを考え込んだあとに弦太朗がばっとあなたの方へ顔を上げた。

「うじうじしてんのは俺らしくねぇ！男なら腹キメて、言う時は言わねぇと！！」
「ん？あの、弦太朗さん？なんの話で…？」

なにやら置いていかれはじめ困惑する。あなた！とこの至近距離で大声を出されて色んな意味で背筋が伸びた。

「は、はい！なんでしょう…。」
「いいか、1回しか言わねぇからな。」

「あなた、俺は、如月弦太朗は、お前のことが好きだ！俺と付き合ってくれ！」

真っ直ぐにあなたの目を見て言い切り、右手を差し出してくる弦太朗。対してあなたは、びっくりしすぎて声が出なかった。

「え、え、ん…？弦太朗が…？私を？好き…？？ん…？」