【短編集】誰かと甘いひとときを【仮面ライダー・戦隊】 (ページ16)

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「もしその星の示すものがお前にとっての『居場所』なんだとしたら、……ここじゃだめなのか？」

あなたはハッとしてマーベラスの方を振り返る。

いつも自分を気にかけてくれるマーベラス。
決して邪険に扱うことをしないジョー。
楽しい話を聞かせてくれて、面倒を見てくれるルカ。
美味しいご飯を作ってくれるハカセに鎧。
紅茶を入れながら、自分の星について聞かせてくれるアイム。

「ここには、お前のことを思ってくれるやつがいる。お前のことを、守れるやつがいる。それでいいじゃねぇか。」

マーベラスの言葉を聞きながら、走馬灯のようにみんなと過ごした日々が頭を駆け巡る。

「あぁ…そっか…そういう事だったんだね…見えないんじゃなかった。私が、今まで、見なかっただけだったんだね。」

『居場所』。そのワードをしっかりと意識した時、あなたの中でなにかがカチリとはまった。

翌日の朝ごはん。

「おはよ〜。今日の朝ごはんはフレンチトースト！」

ハカセの声に、みんながテーブルへ集まる。
「美味しそう」とか「肉がいい」とか「私のにんじんよけて」とか、言ってることは様々だ。

「フレンチトースト！私、大好物だよ！今日も美味しそうだねハカセ！」

みんながギョッとあなたを見る。対してあなたはみんながなんで自分に視線をよこしているのかわからずにあたふたした。

「ん？ど、どうしたんだいみんな…？私の顔に、なにかついてるかい？？」
「あの、あなたが…。」
「呼んでないのに…。」
「テーブルについてる…！？」

ジョーとルカとハカセによる謎の連携プレー。アイムが、そっとあなたに尋ねた。

「今日はあのソファに座らなくてよろしいのですか？」
「ん？うん！探し物なら、もう見つかったからね！当分は必要ないさ！」

そもそも一同は「探し物してたんだ…」というところからである。しかし、みんなの意識はその後のあなたによる爆弾発言で吹き飛ばされた。

「そうそう、マーベラス。昨日はありがとう！私もうひとつ気がついたんだ。」

フレンチトーストを頬張りながら、マーベラスは「あ？」と顔を向ける。

「私がマーベラスについてきた最初の理由はもうないけど、私はまだまだここに居させてもらうよ。」

マーベラスが「当たり前だ」と言おうとしたとき。

「だって、私はマーベラスのことが大好きだからね！」

それを聞いたマーベラスはむせかえる。

あなたの心の星は今日も変わらず騒がしいようだった。