【短編集】誰かと甘いひとときを【仮面ライダー・戦隊】 (ページ14)

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「んー！美味しかった〜！満腹、満腹！」

小一時間してジョーお手製のデザートも食べ終わり、ルカがお腹をさすりながら満足気な顔で呟く。

あなたはそうそうに「ごちそうさまでした」と食器をテーブルに残して、また1人、ソファへと向かってしまう。

「やっぱり、あなたさんって不思議ちゃん…ですよね。」
「いつもあそこで何をしているのか、聞いてもはぐらかされるばかりで、答えてくださいません…。」

鎧とアイムは食後のティータイムと洒落こみながら、あなたの方へ視線を向けていた。

その日の夜のこと。

「それでは、みなさん、おやすみなさい。」

アイムが綺麗なお辞儀をして部屋へ戻る。
そこにルカ、鎧、ハカセと続いて、最後にジョーが自分の部屋へ戻っていった。
あなたは大抵1番最後に部屋へ戻る。それまではやっぱり、定位置のソファから動かない。

マーベラスとナビィだけがリビングに残った。

「寝ねぇのか。」
「そろそろ寝ないと、風邪引いちゃうよ〜。」

マーベラスがあなたの肩を叩いて声をかける。
するとあなたは一目だけマーベラスの方を見て、また窓の外へ視線を戻した。

「うん、まだ寝ないよ。もうちょっと…もうちょっとだけ。」

毎日毎日、暇さえあれば窓の外を眺めている。何をしているのか聞いても答えてくれない。
ただ、その行為の理由を唯一マーベラスだけは知っていた。

「まだ…探してんのか。」

マーベラスは自分の椅子に腰掛けて、そう聞いた。

「うん。見つからないんだ、まだ…。もうずっとずっと長いこと、探しているのにね…。」

昼間のあなたの振る舞いからは想像もつかないくらい、ひどく落ち着いて、それでいて落ち込んだ声だった。