【短編集】誰かと甘いひとときを【仮面ライダー・戦隊】 (ページ13)

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心の星【海賊/マーベラス】ページ13

※ちょっと長くなります

「みんな〜、ご飯お待たせ〜！」
「おっ！待ってましたー！！ん〜…今日グラタン？」

ハカセがミトンを付けてグラタン皿を並べていると、ルカが声と香りにつられてやってきた。鼻腔いっぱいにミルクの風味を取り込んで、ルカはうっとりする。

「そ、最近油っこいの続いちゃってたから、鎧に手伝ってもらって作ってみたんだ。」
「さすがハカセさんと鎧さん、今日のお食事も美味しそうです！」

アイムが広げていたティーセットを片しながら、食器の配膳を手伝う。
ジョーとマーベラスも各々筋トレやらなにやらを切り上げてテーブルへと向かった。

ただ1人を除いて。

「おい、あなた。飯できたぞ。」

ジョーが声をかけるも、てんで気づかない少女、あなた。
鎧よりも早くこのガレオンに仲間入りを果たした、『不思議ちゃん』に分類される女の子だ。

「あの、ずっと気になってたんですけど、あなたさんってずっとあんな感じなんですか…？」
「あ？あ〜…まぁ、な。いつものことだ、気にすんな。それより飯食うぞ！」

鎧が少し声を落としてマーベラスに聞くと、マーベラスにしては歯切れの悪い返しをされた。
しかしゴーカイジャーの面々はみな、それほど気にしてないらしく、いつもあなたの方から気づくのを待つか、ハカセが気を逸らしに行く。

「あなた、あなた！今日グラタンだよ。早く来ないと冷めちゃうよ！」

肩を結構な強さで揺さぶるハカセ。こうでもしない限り気づかないのだ。

「………え？あれ、ハカセ？あ、夜ご飯の時間だね！今日は〜…匂い的にグラタンだね？」

もう〜出来たなら呼んでおくれっていつも言ってるのに〜、とあなたは自分のためだけに置かれている1人がけで座高の高いソファからぴょんと飛び降りて、何食わぬ顔でテーブルについた。

「だから、いつも呼んでるってば！」
「あなたが気づかないだけだ。」

ハカセとジョーに言われるが、あなたは「そんなことはないよ！さすがの私だって人に呼ばれれば気がつくさ！」と認めない。

そんなこんなで、いつものように騒がしい食事が始まる。