【短編集】誰かと甘いひとときを【仮面ライダー・戦隊】 (ページ12)

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〇ホリデー・ショッピング【特捜/センちゃん】ページ12

千軒さんリクエストありがとうございます！

「これよりも、さっきの方が良いかな〜…？」
「でも、こっちのも似合ってたと思うよ。」
「うぅ…わからなくなってきたぞ〜？」

なぜこんな会話が繰り広げられているのか、昨日まで遡る。

「あ、センちゃんセンちゃん！明日、たしか非番だったよね？」

デカベースで見かけたセンちゃんこと江成仙一に声をかける私、あなた。

「あ〜、そうだった。確かに非番だ。あなたもだっけ？」
「そうなの！もし明日予定なかったらさ、ちょっと私のショッピングに付き合ってくれない…？」
「うん、いいよ。俺で良ければ。」

それからセンちゃんと詳しい場所や時間を決めて、念の為ウメコに許可をとった。
その翌日が冒頭の会話に繋がる。

「普段、ぜーんぜん女の子らしい服装しないし、わかんないなぁ…。」
「ほんとはウメコとかジャスミンの方が適任なんだろうけど、俺たちの職業柄、なかなか非番も被らないしね。」

そう言いながらセンちゃんはフロアを移動して、ワンピースを物色し始めた。
ちなみに私がワンピースなんていう女の子アイテムを身につけるのは10年振りくらいであったり。

「1着も持ってないし、この機会に挑戦してみるか。ワンピース。」
「お、その意気だよ。はい、これとかどう？」

センちゃんが渡してきたのは、全体が白で統一されたシンプルで控えめなもの。

「これなら私でも気兼ねなく着れそう…さすがセンちゃん。一緒に来てもらって正解だった〜！」

私はそのワンピースを試着しに行き、鏡をでざっと自分の姿を確認してからカーテンを開けた。

「どう？自分的にはそれなりだと思うんだけど。」
「うん、俺も似合ってると思う。やっぱりあなたは白が似合うね〜。」

センちゃんはあまり隠さずにものを言ってくれるから、こういう時に素直な意見が聞けてありがたい。

私はそのままワンピースの会計を済ませて、るんるん気分で店を出た。

「いや〜、ほんとに今日はありがとねセンちゃん！おかげでいい買い物ができた！」
「お役に立てたようで何よりだよ。その服で今度あいつデートに誘うんでしょ？頑張れよ。」

「えっ！？」センちゃんの方をバッと振り返るも、センちゃんはいつものニコニコ笑顔で歩いているだけで。

「え？ちょ、え！？なんで知ってんの…ってかなんでわかってんの！？」
「さぁ〜なんででしょうね〜。」

前言撤回。ニコニコ笑顔じゃない。これはニマニマ笑顔だ…！