24 ページ25
相澤「あー…輪廻。
見て分かるとおり、重也はお前の知人だ。記憶を無くす丁度前、お前は重也を火事から救ったんだ。
そして、彼の育ての親である叔父は、幸い命は助かったものの植物人間になった。」
その言葉に、一同が押し黙る。
A「……そう、ですか。」
と言っても、思い出せないものは思い出せないけど。
つまり私は彼を救えた代わりに、
叔父さんを救えなかったわけだ。
それで重也くんは思わず私に
心無い言葉を言ってしまい、
私がちょうど直後に記憶を無くして
'怒って居なくなった'と勘違いさせてしまった。
……ちょっと、重たいな。
A「ごめんね、重也くん。
もうお姉ちゃん元気になったから、
また会いにいくよ。」
重也「お姉ちゃん……！でも……」
納得のいかない顔をする重也くん。
彼にとって私しか知り合いがいないなら、
当然のことだろう。
唯一の知人の私が自分より学校を取るのだ。
幼い彼が、寂しくないわけがない。
それでも、納得してもらわなくてはいけない。
焦凍「…そうだ、今度の文化祭に
重也を来させるのはどうだ？」
全員が焦凍くんを見た。
切島「名案じゃねぇか！
死ぬほど楽しませてやるよ、重也！」
重也「ぶんかさい…？」
葉隠「ウチの学校のお祭りだよー！
美味しいものもいっぱいあるし、絶対楽しい！」
重也「おまつり？いったことない...いきたい！」
芦戸「うんうん、おいでよ！
いいでしょ？相澤先生！」
相澤「はぁ…仕方ない。そう手配しておく。」
重也「やったぁ...！」
トントン拍子に進んでいく話。
次第に重也くんの顔に笑顔が戻ってきて。
それが少し、嬉しくって。
重也「お姉ちゃんもその、だんす？やるの？」
峰田「おうよ！ミニスカメイド服でな！！」
蛙水「嘘ついちゃダメよ、峰田ちゃん。」
楽しそうに話す彼らを傍目に、
相変わらず宙ぶらりんの重也くんに歩み寄る。
今度こそ頭を撫でた。
A「...待ってるね、重也くん。」
重也「うんっ！ぜったいにいくから！」
こうして、重也くんは相澤先生に抱っこされて
帰っていった。
その後ろ姿はまるで育児に苦戦する父親のようで。
微笑ましくって、思わず笑みが零れる。
焦凍「子供、好きなのか？」
A「ううん……わかんない。」
答えながら窓の外を見上げる。
今にも落ちてきそうな星々が爛々と光っていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 270人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さ - 恋花さん» そういう事言われて不愉快になる方いるのでやめましょうね (2022年10月25日 0時) (
レス) id: 11966a8a73 (このIDを非表示/違反報告)
恋花(プロフ) - 重也くんって文ストの中也みたい！ (2022年10月21日 17時) (レス) @page2 id: bb4cebb7fd (このIDを非表示/違反報告)
！！！(プロフ) - 小鉄さん» うぁぁ嬉しいですありがとうございます；；頑張ります…✨ (2022年10月14日 0時) (レス) id: c955538e13 (このIDを非表示/違反報告)
小鉄 - たくさん泣いたし途中何度も発狂したくなりました( ；∀；)こんなに感情を揺さぶられる夢小説は初めてです……！これからも楽しみにしてます！！ (2022年10月13日 1時) (レス) @page43 id: a865d1e6ca (このIDを非表示/違反報告)
！！！(プロフ) - 咲さん» えええありがとうございます！自分も泣きながら書いてたので嬉しいです；； (2022年10月8日 9時) (レス) @page6 id: c955538e13 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：！！！
| 作成日時：2022年10月7日 22時
