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そこは、もうほとんどに火の手が回っていて。
まるで地獄のようだったんだ。
A「ふたrｺﾞﾎｯ…っとも……っ！」
重也「おね、ちゃ……！」
飛びついてきた小さな身体を抱き上げる。
一回り以上も小さい手は、酷く震えていて。
涙が、溢れ堕ちては弾けて消える。
どこ、どこだ。
炎の奥、あの人の姿が見えた。
A「マスター！！」
ﾏｽﾀ「わ、たしは、いいから、ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ、」
A「い、や……いやッ」
焼ける血の香りが脳髄を埋めつくして、
目が焼けるようなその熱に目眩がした。
いやだ、どうして、
マスターは倒れた巨大な本棚の下敷きになって、
既に火が燃え移りマスターも燃えていて。
マスターが楽しそうに見せてくれた、
コーヒーの入れ方とか、重也くんのアルバムとか、
嗚呼、燃えてく。
A「だ、め、だめ、いッ………………マスター？」
ﾏｽﾀ「子供のように、駄々、こねるのは辞めなさい…！」
駆け寄れろうとすると、本を投げつけられた。
題名は子供の育てかた。マスターが初めて買った本。
ﾏｽﾀ「救える命をッ！！
未来ある、'2人'を……ッｺﾞﾎｯ…！」
A「ッ、」
わかっていた。
扉は既に火の手が回っていて。
私の個性では子供1人抱えて飛ぶのが精一杯。
───未来ある
こちらを見つめる瞳が、
あの日のママと重なって見えたから。
A「…………重也くん、大丈夫。」
重也「！？おじちゃ…ッ」
重也くんを抱えて宙へ飛び出す。
重也「待って、待って！！
まだ、まだ中におじちゃんが……ッ」
「君たち……！救出者だ！！手当を！！」
下へ降り、重也くんを下ろしたその瞬間、
むしろ今までそこに在ったことが不思議なほど
あっさりと建物が崩れ落ちた。
野次の声も、駆けつけてきたヒーローの声も、
全てが五月蝿くて、煩わしくて。
A「…………。」
私は依然として燃えさかるそれを、
ただ見ていることしかできなかった。
───
あの後、ヒーローたちの必死な救助活動により、
マスターは見つかった。
幸運と幸運が重なり、命だけは助かった。
彼はただの植物人間になった。
重也「お姉ちゃん…っ、なんで、
なんでおじちゃんを見捨てたの……！？」
A「……。」
何も、言えなかった。
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さ - 恋花さん» そういう事言われて不愉快になる方いるのでやめましょうね (2022年10月25日 0時) (
レス) id: 11966a8a73 (このIDを非表示/違反報告)
恋花(プロフ) - 重也くんって文ストの中也みたい！ (2022年10月21日 17時) (レス) @page2 id: bb4cebb7fd (このIDを非表示/違反報告)
！！！(プロフ) - 小鉄さん» うぁぁ嬉しいですありがとうございます；；頑張ります…✨ (2022年10月14日 0時) (レス) id: c955538e13 (このIDを非表示/違反報告)
小鉄 - たくさん泣いたし途中何度も発狂したくなりました( ；∀；)こんなに感情を揺さぶられる夢小説は初めてです……！これからも楽しみにしてます！！ (2022年10月13日 1時) (レス) @page43 id: a865d1e6ca (このIDを非表示/違反報告)
！！！(プロフ) - 咲さん» えええありがとうございます！自分も泣きながら書いてたので嬉しいです；； (2022年10月8日 9時) (レス) @page6 id: c955538e13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：！！！
| 作成日時：2022年10月7日 22時
