【よう実】興味が無いと突き放したい。 (ページ5)

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自己紹介を数人始めた直後の事だった。

ダンッ、と激しい音を鳴らし

「自己紹介なんて、」と毒を吐き散らしていた。

どんだけ、短気なんだと心の中で思いつつ

困っている表情だけを、少しだけ露にした。

そんな空気を破ったのは、美人な先生であった。

「Dクラスの担任となった茶柱佐枝だ。この学校にクラス替えはない。卒業まで3年間、私がお前達の担当となる。まずは本校の資料を配ろう。」

束になっている資料を前から後ろへ回していく。

「本校には独自のルールが存在する。まず全寮制で、在学中に敷地内から出る事と、外部との連絡を制限している。」

「買い物では、学生証端末に保有されているポイントを使う。この学校ではポイントであらゆるものをポイントで買うことが出来る。ポイントは毎月1日に振り込まれる。1ポイントで1円の価値だ。お前達には既に、今月分の10万ポイントが支給されている。」

クラスの中の人たちはざわざわとしはじめるが、

先生は淡々と繋げこう言う。

「支給額の多さに驚いたか？この学校は、実力で生徒を計る。入学を果たしたお前達には、それだけの価値があるというわけだ。」

確かにここに入るのだって容易ではない。

入った時点で、これだけの価値があるとする。

まず、この学校に来た時点で平凡な生活を送ろうと思うのが

無理な話であるのも100承知している。

だが、なるべく目立つことのなく、一般生徒として

このクラスの立場でいたいのだ。

ただ、10万ポイントこんな大きい額を、

平等に月に毎回貰えるはずがない。

と、僕はそう思う。

目立たない学生を演じるためには情報が必要不可欠なのではないか。

気づくと先生の話は終わっていて、

何気ない学校生活が始まろうとしていた。