15 ページ16
.
ドンッ!
図書室に机を叩く大きな音が鳴り響く。
「今、無知無能って言ったか?!」
今日の朝方、突如伝えられた夕方の勉強会。
こうなることを予想していないわけではなかった。
遡ること、HR前。
どうやら、櫛田さんが綾小路くんに、
赤点組の人達と、堀北さんと一緒に勉強会をやらないかという話だった。
それに一緒に来てくれないかと、呼ばれたのだ。
「 Aちゃんも、一緒だと心強いからさ!」
『 僕は、テストの点数そんなに良くないよ? 』
「まぁ、それなら尚更一緒にやろうってことだよ!」
僕には一切の拒否権というものがないらしい。
『 分かったよ〜。仕方ないな。 』
でも、短気くんと一緒に勉強とか絶対できないだろうなぁ。
それに堀北さんの性格上キッパリ言いそうだしなぁ。
と思いながら参加していたら案の定言い合いが始まった。
「ええ。連立方程式の一つも解けなくて、将来どうやって生きていくのか。私は想像するだけでゾッとするわ。」
その瞬間、短気くn...、須藤くんは堀北さんの胸ぐらを掴んだ。
「こんな問題がどうした?勉強なんて不要だろ!教科書にかじりついてるくらいなら、バスケやってプロ目指した方がよっぽど将来のためにたつぜ!」
「そう。幼稚ね。バスケットでプロを目指す?そんな夢が簡単にかなう世界だと思っているの?すぐに投げ出すような、中途半端な人間は絶対にプロになんてなれないわ。」
そう言われると須藤くんは堀北さんから手を離して、
帰る準備を始めた。
「わざわざ、部活を休んで来てやったってのに、完全に時間の無駄だ。」
「俺もやーめよ。堀北さんは頭いいかもしれないけど、そんな上からこられたらついていけないっての。」
「俺も。」
「退学しても構わないのなら、好きにするのね。」
そういって乱れた制服をただした。
「堀北さん、こんなんじゃ誰も一緒に勉強なんてしてくれないよ。」
困ったように、堀北さんに訴えかける。
「確かに、私が間違っていたようね。不毛なことで余計なことをしたと痛感したわ。」
「それって...。」
「 足でまといは早めに脱落してもらった方がいい。ということよ。」
堀北さんがそう言うと櫛田さんはどこか浮かない顔を見せたあと、なんともないふうに笑って見せた。
「そう、でも。..私が何とかしてみせる。こんなに早く皆と別れるなんて絶対に嫌だもん。 」
「見捨てたくないの。」
106人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:匿名希望 | 作成日時:2022年10月10日 23時