Agreement ．【完結】

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そしてあの日から1年が過ぎた頃
オペでトラブルが起こって医者が1人辞めて









患者と一緒に、研修医も
俺に引き継がれた









そいつの名前は世良で
どうしても気に食わない









俺が世良に指導医らしいことをしてやらなかったら
世良はいつの間にか、Aに何でも聞くようになった









それが妙に、腹立つ









AもAで、馬鹿みたいに人当たりがよくて
世良に何でもペラペラ教えて、休憩時間も世良と何か話してたり









それがさらに、俺をイラつかせる
Aは俺のことが好きなんじゃないのかよ









しかも世良はAのことが多分、いや絶対好きだろ
見ればすぐ分かるし⋯あ、これが猫ちゃんが言ってたことか









女が欲しかった訳でもないけど
さすがに俺でもあんなこと知れば、普通に、人並みには意識する









医局で俺が頼んだ書類作業をしてるAを
仮眠室に入れて、俺の隣で作業をやらせる









隣に座ったAをなんとなく見てると
時々落ちてくる髪の毛を耳にかけ直す仕草に無意識に目がいく









「⋯あの、なにか？」

「別に。暇だから見てるだけだって」

「暇⋯って、たまには患者さんの回診くらい、行ったらどうですか」

「⋯俺はね、暇つぶしは、少しでも好きなことしてたいの」









これだけ言えば、顔赤くすんのかとか思ったのに
本当に不思議そうな顔して「変わってますね」って、馬鹿すぎんだろ









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