Agreement ．【完結】

31.たった今気づく ページ32

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「俺の印象、Aの中で最悪だったんだ」

「⋯だって⋯みんな悪魔って言ってるんですもん⋯」

「⋯俺は好きな女にはそんなことしねーって」









渡海先生は、「馬鹿」って言いながら
私の髪がぐちゃぐちゃになるくらい雑に頭を撫でた









突然の渡海先生の告白に、心臓がうるさく鳴って
顔がこれでもかってくらい、赤く熱くなっていく









「さっき、俺の近くにいれないのがヤダらしいこと言ってたけど、まるで俺のこと好きみたいに聞こえた。⋯俺が自意識過剰だった？」









クク、って笑う渡海先生の顔に
私の意識は、ぜんぶ全部持ってかれる









⋯









私の手作りのお弁当を、
悪くないって食べてくれた時、すごく嬉しかった







私だけAって、
下の名前で読んでくれるのも、本当は嬉しかった







渡海先生の傍にいられなくなるって考えたら
すごく寂しかった







時々見せてくれる優しさに
辛くなったり嬉しくなったり。








嬉しかったり悲しかったりする時には
いつも渡海先生が絡んでいて









渡海先生の仕草や、声や、後ろ姿を
いつも目で追ってしまう理由は、憧れじゃなくて









⋯









渡海先生のことが、好きだったから









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