Agreement ．【完結】

2.1億契約 ページ3

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「先生！助けてください！！」

「⋯なに」









私の持っていた患者が、突然ショック状態に陥って
第1執刀医の助手として緊急オペをすることになった









身体にメスを入れると、大量出血を起こして
心電図モニターのアラームが響く









執刀医の先生も焦ってて、
オペ室は緊迫した空気に支配された









だから、助けを求めた──渡海先生に









「⋯別にいーよ、やっても」

「本当ですか！？」

「いーけど⋯その変わり」

「⋯その変わり？」









渡海先生は、吐息がかかる程、
私との距離を縮めて、耳元でこう言った









「1億な」









そうひとこと言い残して、
背中を丸めて、オペ室に入っていく









渡海先生の手で、瞬時に縫合されていき
出血が止まって、オペが終わる









「⋯あの！ありがとうございました！」









オペ室から出ていく
渡海先生の背中にそう言うと、振り向いて言った









「⋯俺、言ったからね？1億って」

「⋯え？」

「だから1億払うまで──」









「俺のために、俺のそばで一生働け」












これが、渡海先生に使い回されるようになった理由









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