タイミングの悪い僕〜JSside ページ9
それにしても。
どうしてこうもタイミングが悪いのかな、僕は。
ユノ先輩とAが付き合い出したあの日。
僕の『当たり前』が音を立てて崩れた。
信じられなくて、信じたくもなくて。
何も考えられないくらいに、何時間も身体を動かした。
次の日も、次の日も。
Aと顔を合わさないように避け続けた。
だって、そうでもしないと
自分が自分でいられなくなりそうだったから。
だけど。
教室で視界に入るAは、幸せそうだった。
部活で見るユノ先輩は、自信に満ち溢れていた。
認めざるを得ない。
僕の入る隙なんてない。
諦めるしかないって、自分に言い聞かせてたのに
ユチョンの一言で、僕の考えは一転した。
「モタモタしてる場合?
Aちゃん、クリスマスは彼氏と2人で過ごすらしいよ?Aちゃんの家で」
「……はっ!?」
聞いた瞬間、カーッと頭に血が上った。
何考えているんだよ!って。
ひとりで暮らす家に男を入れるって…意味わかってんのかよ!?って。
ふざけんな!って、Aの元へ向かおうとした僕を、ユチョンが引き止めた。
「わかってる?
もう今までの関係では居られなくなるかもよ?」
…そんなの。
このまま何もしなくたって、今までと同じ関係じゃ居られないよ。
意地を張っている場合じゃない。
落ち込んで拗ねている場合じゃない。
素直に、今思っている気持ちから伝えようと、『ご、め、ん』口を動かして。
それが伝わったら、『す、き、だ』って、ちゃんと伝えるつもりだったのに。
今度はコイツに阻まれるとは。
「チャンミン、本当にいい加減にして!」
ちょっと本気で怒ってるAを見ても、全然気にすることなくAの頭をポンポンするチャンミン。
はぁ……。
また一波乱が起きそうだ。
だって。
僕はコイツ以上の『シスコン』を
未だかつて、見たことがない。
251人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ち - はじめまして!アラサーペンのわたしですが、こんな高校時代を過ごしたかったとキュンキュンしてしまいます。更新楽しみに待ってます(^^) (2021年1月24日 10時) (レス) id: c2ed9163db (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユチコ | 作成日時:2018年6月23日 16時