轟姉は無関心 (ページ21)

今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:3,210 hit

19話ページ21

狼谷「……意味、か。俺の妻がひき逃げをされたのは知っているな？」

『ええ。』

狼谷「俺はどうしても犯人が許せなかった。だから軍人時代の知識を活かし犯人探しをしたんだ。

そうしたら1人の人物が犯人に浮上した。

桂慶彦

裁宝院グループの役員の1人だ。

俺は直ぐに警察に訴えた。

調査してくれってな。

だが、事故から月日が経っていて調査出来ないと押し切られた。

だが、それは表面上の言い訳に過ぎなかった！

桂は警察に圧力をかけていた！

それを知ってもう警察はあてになんねぇ。そう思った。

裁宝院グループの会長は周りからの人望も厚く、人間性も良い人だってのは知ってたからな。

あの人がその事実を知ってて尚、アイツをなんの処罰も下してないってのは考えにくい。

だから会長の娘である霞織さんを誘拐した。

元より殺すことは考えてなかった。

アイツは俺がアイツの周りを嗅ぎ回ってたのは知ってたから上司の愛娘が誘拐されたと聞いたら

怖くなって自首するかと思ったんだよ。」

『……そう、じゃあ続けて質問。何故あの手紙を残したの？

貴方程の人間が本気でここまで計画したのだから暗号がなかったら完全犯罪になっていたというのに。』

狼谷「…………

止めて欲しかったんだよ。

悪意に駆られた自分は凄く醜くてなぁ。

あれを解いて場所が突き止められたら、俺のこの執念も諦めがつくかなって思ったんだよ。

あれを解けるのはそうそう居ねぇからな。」

ハハッと笑った彼は

肩の荷が降りたような

そんな顔をしてた

『あの輝く蝶っていうのは何処にいるの？』

警官「ああ！それなら我々が保護しました。これからどう対処するか検討するつもりです。」

狼谷「っ！」

『……検討ってことはまだ決まってないと言う事ですよね。』

警官「そうですね！…しかし……」

『どうかしたの？』

警官「あぁ、いや、あの蝶を見た研究者が興味を持たれたみたいでうちで保護して養殖を試みたいと行ってきた方がいて………」

狼谷「それはダメだ!!!!!!!!あいつらはめちゃくちゃナイーブなんだ！

知らない奴に触られでもしたら死んでしまう！

………………………………………それに俺と華夜を繋ぐ唯一の形見なんだ……！」

華夜さん………奥さんね

確かに家に行った時かなりの数の蝶がいたけど

テレビにも取り上げられたくらいだから人受けは良さそうよね…

『あのー、提案があるんですけど…』