焦凍は私にとって1番のヒーローです！[轟焦凍] (ページ36)

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私のヒーロー34 ページ36

焦凍side

轟「おいｯ！Aｯ!?」

風でどこかに行こうとしたAを氷でせき止める。

轟「どこいくんだよｯ」

いつもだったらこんなこと言わない。
けど、今Aを離したらどこかに行ってしまいそうで…

『…』

轟「なんで、黙ってんだよ。」

『焦凍…冷たい…痛い。溶かして』

轟「あぁ…」

『ぬわ!?』

勢いよく氷を溶かして、俺の方に転がってきたAをすぐさま抱きしめる。

『離してｯ…』

轟「離したら…お前、どこかへ行くだろ。
俺のところに、戻ってこねぇだろ。」

図星…か。

轟「Aは、俺と別れたいのか？」

『そういう訳じゃない！』

ﾊﾞｯと勢いよく顔を上げて秒で返事するから嘘はついていないんだろうな。

轟「じゃあ、なんだよ。

さようならって、なんなんだよ！どういう意味だよ！」

『そのまま…の意味。』

轟「それって、別れるってことじゃねぇのかよ。」

『…お父様のところに行くの』

お義父さんの所に。

でも、Aだって、お義父さんを説得できないのはわかっているはずだ。

なのに、なんで。

『なんでって…思ったでしょ。』

轟「あ、あぁ。」

『ねぇ、焦凍。この条件を出したのって姉さんじゃん。
お父様じゃないもん。』

あぁ
Aが言いたいのはそういう事…。

『姉さんを、説得するのは、無理…
あの人は、色々異常だから…

けど、お父様なら、エンデヴァーさんならっ』

親父の力も借りるのか。

正直それはしたくなかったがAと一緒にいるためだったら仕方がない。

轟「1つ、約束してくれるなら…行ってこい…」

『ん…？』

轟「必ず、俺のところに帰ってきてくれ。
帰ってきた時、また、俺の腕の中にいてくれ。」

『うん。当たり前でしょ。』

淡々と答えるAに少し不安を抱いたが、Aをここは信じておこう。

轟「いってらっしゃい」

チュッと唇にキスを落とすと、Aは切なそうに瞳を揺らして微笑んだ。

轟「ｯ!!」

その瞳を見て直感した。
Aはもう、今ここで離したら戻ってこない。
俺の腕の中に収まってくれることはもうない。

轟「ｯやっぱり、俺が嫌だ。」
『ほぇ？』
轟「Aと離れるなんて…出来ない。」