焦凍は私にとって1番のヒーローです！[轟焦凍] (ページ20)

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私のヒーロー18 ページ20

轟side
『みんないい人すぎて、沢山泣いちゃった！』

寮への帰り道。
隣を歩きながら、ふにゃりと笑うAの目元は、真っ赤に腫れている。

轟「A」

優しくAを呼ぶ。

ん？と振り返った彼女の目元に、ちゅっとキスを落とす。

『んな!?///』

ｽﾞｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｯと後ろに下がっていくA。

その腕を掴んで、グイッと自分の元へと引き寄せる。

晴れてる目元に左手を当て、ひんやりと冷やす。

『ひゃ…!?つめた…』

轟「わりぃ、Aの目元、結構腫れてるから、冷やさせてくれ。」

『そんなの、言われるまでもないけどさ…。
ありがと。焦凍。』

今日の1件から、Aは素直にお礼を言うようになった。

『でも、最初のキスはいらなく無い？』

とケラケラ笑うAに、嬉しかったくせに、と言えば、真っ赤な顔で否定する。
Aは色々可愛すぎるんだ。

そういっているうちに、Aの目元の腫れも引いていき、赤みもなくなってきた。

これなら大丈夫だろう。

轟「せっかく冷やしてやったんだから、もう泣くなよ？」

こくりと、首を縦に降るA。

Aの動作がいちいち可愛くて、心臓に悪い。

ほら、今だって

『焦凍に冷やしてもらったら、いつもより腫れが早く引いた気がする！
愛の力だねっ！』

なんて、少し恥ずかしそうにはにかみながら言ってるし。

Aは相当な男たらしだと思う。

これが無自覚だから、怖い。

Aは今まで何人の男を落としてきたのだろう。

『ねぇ！焦凍ｯ！』

轟「なんだ」

にこりと笑ったAは、夕焼けをバックに微笑んでいる。

『クレープ食べ行こうよっ！
遠回りになっちゃうけどさ、放課後の、制服デート！しよｯ？』

ほら、可愛いことを平気で言ってのける。
自然に差し出された手。

普通だったら、男から手を繋ぐものなんじゃないのかって思うけど

『は〜や〜く！』

こいつの場合、早くクレープを食べたいだけなんだよな。

ちょっと複雑な気もするけど、そこも可愛いから許してしまう。

轟「公園のとこか？」

『うんｯ！
公園のベンチに二人で座って、食べよーよっ！』
轟「いや、俺はタピオカミルクティーだな。」

『おっ、じゃあ、1口ちょーだい！』

間接キスになるけど、多分気付いてないな…。

轟「はぁ…」

『ん？どしたの焦凍。』

キョトンと、無垢な瞳で問うてくるA。
この瞳で見つめられるとなんでも良くなるんだよな。

轟「いや、なんでもない。行くぞ。」

『うんっ！』