始まり ページ28
「エ、…ト?」
それから、たった数日経った時だった。
昼から、ずっと外に遊びに行っていて。
夕方に、さぁ叔母さんの手伝いしなきゃな、って。そんなのを、思いながら、家に帰ったんだ。
いつも俺にくっついてくるエトが、今回は家に残るなんて、言うから。ちょっと珍しいな、って。そうは思ったけれど。
…まさか、¨こんな¨になってるなんて。思わ、な__
__叔母さんが、真っ赤で倒れてるんだ。エトよりも長いその銀髪が乱雑に床に広がって、
…すぐ誰かを呼べば助かる…?…子供で何の知識もない俺が言うのもあれだけど、これはもう、手遅れだ、きっと。
その位、酷い。¨アイツ¨の時より、血が酷い。
誰がやった?変な奴が押し入りでもしたのか?
…違う、これはだって、明らかに、
「ぁあエト、なんでお前まで__」
¨俺と同じ¨になってしまったんだ?
俺がヒトゴロシをして出ていくなんて言うから、君が自分から同じになってまで付いてこようとしたのか?
なんで。¨アイツ¨はともかく、叔母さんが一体何をしたって言うんだ、
何が君をそこまで狂わせた…?
…俺が、来たせい…?俺のせいなのか?
君が少し可笑しなくらいに俺を好いてくれていたのは分かってたけれど、いや、分かってたからこそ君がどんどん俺の狂ってる部分に侵されて行ってしまう気がして、だからもう離れないとなって、思っていたけど。明らかに遅かった、気が付かなかった。
まさか、君までそんなにおかしくなってしまっているなんて。
なぁ…エト?
「__ふふ、おかえりなさい。フォル。
ね、これで、私も貴方と一緒に行ける?」
叔母さんが倒れてるのなんて見えていないかのようにエトはソファからおりて、とてとてと俺に近寄って来る。
エトがあまりにも自然すぎて、俺の方が幻覚でも見てるんじゃないかと不安になる、
でも君の目は、そんな、真っ赤な悪魔のような、そんな忌々しい色はしていなかった筈なのに。
「……嗚呼、おいで。…来いよ、俺がエトをそんなにしてしまったんだとしたら、しっかり責任は取るよ」
彼女の心底嬉しそうに笑うその顔は、今までとなんら変わりないというのに。彼女の銀の髪と白の肌や服に、こびりついた赤が嫌な程映えてた。
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緑 - 紅楓さん» そう言ってもらえるととても有難いです!コメントありがとうございます、これからも頑張りますねっ (2020年5月12日 16時) (レス) id: 8fad606fce (このIDを非表示/違反報告)
紅楓(プロフ) - 面白いです!作者様のペースでいいので、更新頑張ってくださいね! (2020年5月12日 9時) (レス) id: 082dab1426 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 緑さん» いえいえ、コメント欄に大変失礼いたしました。 (2019年11月4日 22時) (レス) id: 638a835745 (このIDを非表示/違反報告)
緑 - 二次創作を書いていたつもりはないので今もフラグを立てていますが、何かあればまたコメントしてくれると有難いです、ゆりりんさんもわざわざコメントありがとうございますっ (2019年11月4日 16時) (レス) id: 8fad606fce (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 緑さん» こちらオリジナルで大丈夫ですよ…? (2019年11月4日 2時) (レス) id: 638a835745 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒夜 緑 | 作成日時:2018年9月2日 18時