依頼…? ページ3
「あぁ、いらっしゃいお嬢さん」
建物に入ってまず目に入るのは、黒と赤が基調にされた部屋。やっぱり中も黒ばっかりだな…。
そして白い小さなテーブル1つがあって、2つイスが並べられてる。
…今声をかけてきた人は、その内の1つのイスに座っている男性だったみたい。
「こんに、ちは…?」
少し見回してみれば、部屋の端にカウンターのようなものがあって、中から私を見ている女性と目があった。
「とりあえず、ここに座ったらどうだい…?」
薄い金髪の男性は、自分の向かいのイスを指差して、ちょっと微笑みながら言う。
すると、カウンターからさっきの銀髪の女性が出てきて、さっとイスを引き「さ、どうぞ座って」と言ってくれた。
「わわ、すみませんっ」
わざわざイスを引いてくれた女性に頭を少し下げ、私はイスに座る。
…綺麗なお姉さんだなぁ……
「それにしても驚いた、こんなお嬢さんが来るなんて」
「ええ、私もだわ。ここはお嬢ちゃんみたいな子が来るには、ちょっとだけ早くないかしら」
男性はまじまじと私の顔を見てくる。
…こう見られると、あの男性の赤い瞳が嫌に目立つなぁ…。お姉さんの目も赤かったし…。
「貴女、まだお酒も飲めないでしょう…?これなら飲めるかしら」
いつの間にかカウンターに戻り、何かをしていたお姉さんは、何かの入ったカップを持って来て、私の前に置いてくれる。
「あぁ、1口くらい飲んでみるといい。彼女の淹れたものはどれも美味しいよ」
白いカップに、…カフェオレが入っている。
「…美味しい、です」
「ふふ、それは良かったわ」
せっかくだし1口飲んでみると、無意識にそう言葉が出てきた。
私食レポなんて出来ないけど、とりあえず本当に美味しかった。
…普段食べたり飲んだりしないから、余計に美味しく感じるのかな…
「…ところで、ここに来たって事は、何か用があるのだろう…?」
突然、場の雰囲気が真剣になって少し怯んでしまう。
「……ここは復讐屋さんですか…?」
「はははっ、可笑しな事を聞くねぇ、分かっているだろう…?」「ふふっ、可笑しな事を言うのね、分かっているでしょう…?」
2人が不気味な笑みを浮かべ同時に言うと、この部屋全体の雰囲気が「怪しい」や「真剣」ではなく「狂気」に包まれる。
…今の言葉でここが復讐屋だと確信できた。
…なら私が言う事は1つだけ。
「あの…ここで、働かせてください」
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緑 - 紅楓さん» そう言ってもらえるととても有難いです!コメントありがとうございます、これからも頑張りますねっ (2020年5月12日 16時) (レス) id: 8fad606fce (このIDを非表示/違反報告)
紅楓(プロフ) - 面白いです!作者様のペースでいいので、更新頑張ってくださいね! (2020年5月12日 9時) (レス) id: 082dab1426 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 緑さん» いえいえ、コメント欄に大変失礼いたしました。 (2019年11月4日 22時) (レス) id: 638a835745 (このIDを非表示/違反報告)
緑 - 二次創作を書いていたつもりはないので今もフラグを立てていますが、何かあればまたコメントしてくれると有難いです、ゆりりんさんもわざわざコメントありがとうございますっ (2019年11月4日 16時) (レス) id: 8fad606fce (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 緑さん» こちらオリジナルで大丈夫ですよ…? (2019年11月4日 2時) (レス) id: 638a835745 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒夜 緑 | 作成日時:2018年9月2日 18時