初仕事 ページ12
これを食べたら、残った¨アレ¨はどうしようか。案外不味くはないし、これからもずっと食事に混ぜれば良いのだろうか。
新入り…リヴェが来たから効率もいいかも……。
「まぁ、プロキシと相談だな」
「依頼主は人間の女性。依頼理由は人外に自分の恋人を喰われた、という実にシンプルな理由。
依頼内容は…、…その人外の殺害ね。「殺し方はそちらに任せる」との事よ」
森を歩きながら、プロキシさんは淡々と言う。
そのターゲットは野良の人外で、この森を主に住みかにしている。
一応今回は洞察だけだけど、場合によっては今回に殺してしまっても構わない。
ターゲットが見つからなかった場合、また後日洞察。
そのターゲットは、一見普通の人間だけれど、鋭く尖った歯と、同じく尖ったエルフのような耳、暗い青の三白眼が特徴…。
と、色々プロキシさんは教えてくれた。
「……」
にしても…。
し、仕事中のプロキシさんっていつもと違う…。
なんか…雰囲気がびりっとしてて、なんだか、かっこいいけど…ちょっとだけ、怖い……
それに……
「リヴェ、…リヴェ…?」
「は、はいっ…!」
隣で歩いてるプロキシさんが、ちらっと私の方を見たと思えば、なんだか不思議そうに首をかしげ、私の名前を繰り返した。
「どうしたの、そんな変な顔して」
「い、いえっ、何でも……」
ふるふると首を横にふる…
「…少し、怖がらせてしまったかしら…?ごめんなさいね」
「ふにゃっ……」
ぽふっ、と私の頭に置かれるプロキシさんの手。
微笑んでくれてるけど、でも…私を撫でてくれてるその手にも、復讐屋としての冷たく黒い血が流れてるような感じがして、私はゾクゾクとした。
「リヴェ、疲れた…?」
「まだまだ平気ですよ、でも、見つからないですね……ターゲットらしき人物…」
「そうね…」と、プロキシさんは歩きながらため息混じりに言う。もう結構探してる筈なんだけど、見つかるのは人の形さえしてない不気味な魔物か、妖精やら精霊が飛び回ってたりするのくらい。
「……。」
…でも、プロキシさんは気付いてるかな…私達の前には現れないけど…
何かが、近くにいる…
魔物とか、そんな低級なやつじゃなくて…
しっかりと自我と思考を持った誰か…誰かが、
さっきから、私達の後をつけてきてる……って…。
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緑 - 紅楓さん» そう言ってもらえるととても有難いです!コメントありがとうございます、これからも頑張りますねっ (2020年5月12日 16時) (レス) id: 8fad606fce (このIDを非表示/違反報告)
紅楓(プロフ) - 面白いです!作者様のペースでいいので、更新頑張ってくださいね! (2020年5月12日 9時) (レス) id: 082dab1426 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 緑さん» いえいえ、コメント欄に大変失礼いたしました。 (2019年11月4日 22時) (レス) id: 638a835745 (このIDを非表示/違反報告)
緑 - 二次創作を書いていたつもりはないので今もフラグを立てていますが、何かあればまたコメントしてくれると有難いです、ゆりりんさんもわざわざコメントありがとうございますっ (2019年11月4日 16時) (レス) id: 8fad606fce (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 緑さん» こちらオリジナルで大丈夫ですよ…? (2019年11月4日 2時) (レス) id: 638a835745 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒夜 緑 | 作成日時:2018年9月2日 18時