少し不器用な彼【東海オンエア】短編集 (ページ6)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:33,666 hit

朝 ( としみつ ) ページ6

いつもとは違う何かで目が覚める

目を開けると、隣にいるはずのとしくんがいない。

不思議に思ってリビングへと向かうと

ああ、そういうことか、と納得する

「とーしくんっ」

と声をかけると

と「A起きてたの、おはよう」

と言ってニコッと笑う彼。

「おはよう、いい匂いに誘われたみたい」

と言うと、彼は私の頭をじっと見る

「...？そ、そんなに寝癖ひどい？」

と「それもあるけど」

あるんかーい

と「匂いに誘われるってカブトムシやん

触覚さがし！うりゃ！」

と言って私の頭をグシャグシャにする彼。

抵抗しても無駄とみたので

大人しくグシャグシャ攻撃を受けることにした

「なんで急に朝食作りなんて始めたの？」

という私の問いに

と「なんとなく」

の５文字で答える彼。

と「いつも家の仕事まかせっきりだったし」

と「 A、いつもありがと」

と言って微笑む彼。

わたしもつられて笑顔になる

「こちらこそ」

何もない日常に

いちいち幸せを与えてくれる彼

私はそんな彼が大好きだ、と再確認させられる

「としくん、いつもありがとう」

気付くと、思わず抱きついていた

私の背中に手を回し

こちらこそ、と囁かれる

朝からこんなに幸せでいいのかな、

バチが当たっても耐えられるなあ、なんて

「あ！卵焼き！黒くなってる！」

と「え"」

___________________